「L急行」十和田
2020年7月10日 2020年10月28日
岩手県に生まれ育った自分の中の鉄道史を分けるとすれば、以下が大きな節目になるだろう。
- 東北新幹線開業
- 国鉄分割・民営化
特に東北新幹線開業前の東北本線や山田線はノスタルジー抜きには語れない。
そんな「東北新幹線開業前」、東京に出る手段といえば「はつかり」「やまびこ」の特急、「はくつる」「ゆうづる」の寝台特急、そして「いわて」「十和田」「八甲田」の急行であり、「十和田」に至っては5往復ぐらいあったはずで、中央本線の「アルプス」、常磐線の「ときわ」と共に「L急行」にすればいいのにと幼心に思っていたものだった。
その「十和田」は20系客車で走っているものもあれば、10系寝台車を連結しているものもあった。
「ねえ、お母さん、寝台に乗りたい」
「大人になって自分で稼ぐようになってから乗りなさい!」
現在、乗り鉄となっている大人たちは、共通してこのような経験をしているようである。
しかし、新幹線や飛行機や夜行バスの発達に伴い、寝台車は凋落の一途を辿っていった。
結局、北海道新幹線の開業に伴う「はまなす」の廃止により、日本の夜行急行列車は完全に廃止になってしまった。
それでも、北海道在住経験があり「はまなす」で何度も上京できたのはまだ運が良かったのかもしれない。