参議院選挙で自民党が圧勝(S46.6.27)
1971年6月27日
2025年6月7日
昭和46年6月27日に行われた第9回参議院議員通常選挙において、岩手県選挙区では自民党現職の岩動道行が27万7,335票を得て再選され、社会党新人の小川仁一に約6万6,000票差で圧勝した。岩動氏は昭和44年6月の補欠選で初当選しており、今回は2期目となる。
投票率は戦後の参院選では3番目に低く、都市部では行楽、農村では農繁期と重なり出足が鈍った。岩動氏は早期から自民党の公認を受けて体制を固め、「新しい時代の会」などを通じ若年層にも訴えた。一方、小川氏は日教組副委員長の経歴で知名度が高くなかった上、社会党が候補擁立を決めたのも遅れ、出遅れが響いた。
共産党からはさくじ氏が出馬し、政策討論会や全県遊説を展開。民社・公明両党は候補を立てず自由投票としながらも、選挙戦には水面下で関与した。社共・公民共闘の模索もあったが中央で不調に終わり、三つ巴の選挙戦となった。
政見放送が初めて導入されたことで立会演説会への参加は大幅に減少。岩手日報社の世論調査では、自民党の支持率が4割超と圧倒的で、社会党も選挙中盤から支持を伸ばしたが届かなかった。内閣支持率は三分される状況で、自民党への支持とは落差が見られた。
選挙結果の地域別分析では、岩動氏が県北・県央・沿岸を通じて全域で優勢。革新支持が多い盛岡市や釜石市でもリードした。小川氏は労組の動員で健闘したが、反自民・佐藤内閣批判票の取り込みには至らなかった。
この結果、自民党の岩手県政への影響力が一層強まり、千田県政への支援が強化される一方、社会党内部では千田知事への対応をめぐる路線対立が表面化し、次期知事選への影響も見込まれる状況となった。