フェーン現象により沿岸で山火事(S58.4.27)
1983年4月27日
2025年5月10日
昭和58年4月27日、岩手県内は異常乾燥と強風注意報が発令される中、各地で火災や農業施設の被害が相次いだ。この日だけで14市町村18か所で火災が発生し、特に久慈市や岩泉町、大槌町、西根町などで大火に発展した。県は同日午後7時に災害対策本部を設置し、自衛隊・海保・民間の協力を得て空陸海の三方面から消火と救助を展開。久慈市では山林火災が北西の強風で延焼し、22時には玉の脇・二子・大尻地区に飛び火。住宅45棟・漁船116隻などを焼失し、被害額は24億円超に達した。火災は5月2日15時30分にようやく鎮火した。人的被害は火災で軽傷9人、強風関連で死者1人・重軽傷17人。気象庁は当時の気象をフェーン現象とし、東北大学は「熱対流混合風」と分析した。また、滝沢村と西根町にまたがる自衛隊岩手駐屯地演習所でも午前10時ごろ出火し、民家や林野に被害が広がった。この火災は自衛隊に出火責任があるとして批判を受けた。