一関市釣山公園の美容師殺し事件(S33.11.17)

昭和33年11月17日、岩手県一関市釣山公園の田村神社裏で女性の絞殺遺体が発見された。被害者は美容師で、家庭問題から夫と別居していた。事件当日、「一関に行く」と言い残して行方不明になっていた。被害者は当日、親しい男性を装った中年風の声の主から電話で呼び出されていた。捜査の結果、夫が重要参考人となり、曖昧なアリバイや目撃証言、電話の声の一致などから容疑が深まった。

加害者の夫は昭和11年に一関郵便局の電話施設係として採用され、その後長く通信業務に携わった。昭和32年には水沢電電局へ転勤したが、被害者が夫の女性問題を吹聴したため左遷されたと主張している。20年以上勤務し、技術力が高いと評価されていたが、事件後に懲戒免職となり、退職金も支給されなかった。

夫は復縁話の中で被害者に女性問題を責められ、衝動的に殺害。絞殺後、死体を茂みに隠し、暴行を偽装するため衣服を乱した。昭和33年11月30日に逮捕され、後に犯行を認めた。昭和35年の裁判で夫は単独犯行を認め、同年5月に懲役8年の判決を受けた。

事件後、加害者は「妻の愛情が欲しかった」と孤独感を訴えた。事件の影響で、家族や子供たちにも大きな影響が及び、残された子供たちは複雑な状況の中で父親の出所を待つことになった。


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