盛岡少年刑務所囚人脱走事件(S45.12.3)

昭和45年12月3日、岩手県盛岡市で盛岡少年刑務所から囚人2名が脱走する事件が発生しました。脱走が確認されたのは午後0時55分頃で、囚人たちは正午過ぎに刑務作業中に準備した梯子を用い、高さ4メートルのレンガ塀を乗り越えて逃走しました。この2名は20歳と19歳で、いずれも暴力犯罪で服役中でした。

脱走直後、盛岡市内丸地区で盗難車がパトカーに発見されましたが、追跡を振り切り逃走。その後、盛岡市前九年地区を経由して山林に潜伏しました。盛岡グランドホテル裏付近で盗難車が発見され、近隣の無人民家で猟銃や食料、衣服などが盗まれていることが判明。囚人たちが猟銃を所持している可能性が高まったため、警察は大規模な捜索体制を敷きました。

捜索は盛岡市川目地区から上米内地区にかけての広範囲な山林に集中。地元住民から地理情報を収集し、出口を封鎖する「うさぎ狩り作戦」が実施されました。警察犬、刑務所職員を含む500名以上が動員され、特に夜間の山狩りが決行されました。深夜、川目地区の民家付近で囚人のものと思われる足跡が雪上に発見され、指揮官の指示のもと捜索線を縮小。午後10時30分頃、警察犬の活躍により、山林の麓で猟銃を所持し潜伏していた囚人たちが無事逮捕されました。

その後、逃走した囚人たちは加重逃走、窃盗、銃刀法違反などの罪で起訴され、それぞれ懲役刑の判決を受けました。


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