子供が触れてはいけない賎業

ネットカフェに行ったら「フライドポテト食べ放題」だという。
そのフライドポテトの包み紙が何とも懐かしいものだった。

マクドナルドで言えばSサイズの包み紙で、表に「Snack」と書いてある。
おそらく汎用のものが売っているのだろう。
きっとどこのチェーン店でもない小規模なファーストフード店を想定しているのだろう。

そんな「どこのチェーン店でもない小規模なファーストフード店」は小学校の通学路上にもあった。
かれこれ昭和50年代の末頃である。

その「ポパイ」という店は、駐車場を1区画借りて、プレハブの中で若い夫婦がフライドポテトを揚げていた。

ただ、学校も親も「買い食いはいけません」と指導していたので、つまり小学生たちには無縁の店であった。通学路上にありながら。

その「ポパイ」のうらぶれた雰囲気と共に、「子供がかかわってはいけない」仕事をしている、というそのことが何だか可哀想に思えた。
何でそんな「子供がかかわってはいけない仕事」をしているのだろう?
そんなことを子供心に思っていた。

そんなことを考えていた日も、きっと大槌駅にはタラコ色のキハ52はやってきたはずだ。

結局「ポパイ」は、1年間営業したかしないかぐらいで潰れてしまった。

あの小さなプレハブでフライドポテトを揚げていた若い夫婦も今やすでに老境に達しているはず。

東日本大震災をも乗り越えてお元気でいらっしゃるだろうか。

 

 

showa
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