c久慈・九戸郡 28 5月 1947 九戸郡中野村の義妹殺し(S22.5.28) 昭和22年5月28日、岩手県九戸郡中野村(現洋野町種市)で、弱視の23歳の女性が家を無断で出たまま行方不明となりました。前日の5月27日、被害者が外出していた様子が目撃されており、普段ほとんど外に出ない彼女の行動を不審に思われていました。家族や村人たちが捜索を行う中、5月31日、近隣の雑木林(八木山… 続きを読む
a盛岡・岩手郡・紫波郡 23 11月 1946 日本三景・松島の強盗殺人(S21.11.23) 昭和21年10月22日、岩手県盛岡市の桜山神社境内にある「桜山引揚者更生市場」で飲食店を営む男性(42歳)は、宮城県遠田郡不動堂村(現在の美里町不動堂地区)出身の復員者である男(24歳)から、「宮城県松島町で安価な外国製煙草が手に入る」との話を持ち掛けられました。当時、煙草は闇取引で高値がついており… 続きを読む
i一関・西磐井郡 13 10月 1946 萩荘村の強盗殺人(S21.10.13) 昭和21年10月13日、岩手県西磐井郡萩荘村大字下黒沢(現在の一関市萩荘下黒沢)に住む52歳の女性が、配給品の学童服を購入するため、西磐井郡一関町(現在の一関市中心部)に出かけた。女性は夕方には戻る予定だったが帰宅せず、家族は不安を抱いた。翌14日の早朝、57歳の夫が一関町新大町(現在の一関市新大町… 続きを読む
a盛岡・岩手郡・紫波郡 24 8月 1946 角田屋事件(盛岡の中学生誘拐事件)(昭和21年8月24日) 終戦から丸1年過ぎた昭和21年8月24日のこと。 盛岡市内では比較的大規模な商店である大通の角田屋で、盛岡中学(現:盛岡一高)1年生の息子がなぜか帰ってこない。 どういうことかと思ったら、翌25日に知らない誰かから角田屋に手紙が届いた。 御子息は鄭重にお預りした。御安心あれ。この事件をさわいで友人知… 続きを読む
a盛岡・岩手郡・紫波郡 12 6月 1946 盛岡にはびこる偽のヤミ米摘発隊(昭和21年6月12日) 昭和21年7月1日の岩手日報より。 開運橋通りのある家に3人の男がやってきて「岩手地方世話部のものだが・・」と言う。 地方世話部というのは県庁に属し、軍人の恩給や復員に関する役所であった。 まだ復員していなかった長男の話でも聞けるのか?と思ったら「ヤミ米に関して調べたいから倉庫を見せてくれ」という。… 続きを読む
l全県 1 8月 1944 岩手県協和会が朝鮮半島出身労働者を表彰(S19.8.1新岩手日報) 岩手県協和会は、半島出身労働者を表彰した。 このことからも、朝鮮人がどこで多く働いていたかが分かろうというもの。 … 続きを読む
h水沢・江刺・胆沢郡 7 7月 1944 江刺郡福岡村で引きこもりが死刑になりたくて母を斬殺(S19.7.7) 事件の加害者は、岩手県江刺郡福岡村(現在の北上市口内町)に住む当時29歳の男性で、大正13年10月20日生まれ。農家の四男として生まれ、2歳の頃に遠縁の養家に養子に出された。その後、村内の高等小学校を卒業し、岩手県立盛岡農学校を経て、昭和7年に卒業。卒業後は小学校の代用教員として勤務したが、生来の虚… 続きを読む
h水沢・江刺・胆沢郡 16 5月 1943 胆沢郡永岡村で「白痴に近い薄バカ」の義妹殺し(S18.5.16) 昭和18年5月16日、岩手県胆沢郡永岡村(現金ケ崎町永岡)で、戦地に赴いた夫を持つ女性が失踪した。この女性は夫の留守中に義理の兄から暴力を受け、妊娠してしまうという苦しい状況に置かれていた。義理の兄は、女性が4歳の子供を置いて家を出たことを「自殺の恐れがある」として警察に捜索を依頼した。 警察は地元… 続きを読む
a盛岡・岩手郡・紫波郡 6 11月 1941 産業報国会が県下産業戦士投炭協議会を開催(昭和16年11月5日) 昭和16年11月6日の岩手日報より。 労働組合を翼賛体制に組み込んだ「大日本産業報国会」は、11月5日に内丸産業奨励館北館で県下産業戦士投炭協議会を開催した。 参加者数は「数においてはいささか物足りなさを感じたが」という程度であったという。 … 続きを読む
a盛岡・岩手郡・紫波郡 21 7月 1939 盛岡署に捕まった大物スリ「夏は仕事にもってこいですよ!」(昭和14年7月21日) 昭和14年7月23日の岩手日報より。 この時期、盛岡警察署ではスリのお縄が相次いでいたようで、7月21日午後に、岩手公園で行動の不審な青年を捕えたら、懐中から蟇口が3つも出てきた。 この男は函館生まれの25歳の男で、スリの前科5犯というしたたか者だった。 3月中旬から盛岡市内でスリを働いていたといい… 続きを読む
f花巻・稗貫郡 19 7月 1939 黒沢尻(北上)の踏切の自殺は徴兵検査に不合格を悲観?(昭和14年7月19日) 昭和14年7月21日の岩手日報より。 黒沢尻町(現:北上市)の黒沢尻中学校前の踏切で、列車が驀進中に白面の青年が飛び込み自殺したのだという。 調べるとそれは稗貫郡宮野目村(現:花巻市宮野目)の21歳の洗濯店外交員で、平常通り店から外交に出たまま行方が分からなくなっていたという。 先日の徴兵検査に不合… 続きを読む
a盛岡・岩手郡・紫波郡 18 7月 1939 自称坊主が自費出版「生きる力」を刑務所官舎で押し売りして御用(昭和14年7月18日) 昭和14年7月19日の岩手日報より。 7月18日の午前中、盛岡少年刑務所の官舎で、ヘルメットに法衣姿の自称坊主が、「生きる力」という自費出版を押し売りして歩き、官舎の主婦たちはそれぞれの旦那である所の刑務所看守に連絡してすぐに御用になったという。 この自称坊主は高知県幡多郡出身の男で、盛岡少年刑務所… 続きを読む
j東磐井郡 1 7月 1939 千厩や気仙沼で跋扈していた山林詐欺を東京で逮捕(S14.7.1新岩手日報) この当時、千厩や気仙沼の方では、山林詐欺が横行していたようだ。 それは、青森出身の男で、「資金不足が生じたから一時貸してくれ」などとうまいことを言って、金を巻き上げていたようであるが、東京で逮捕されたのだという。 … 続きを読む
d宮古・下閉伊郡 9 4月 1939 北東北3県を荒らし回る怪盗を逮捕(S14.4.9) 昭和13年8月から昭和14年4月にかけて、岩手県下閉伊郡の川井村(現在の宮古市川井地区)、茂市村(現在の宮古市茂市地区)、田老村(現在の宮古市田老地区)などを中心に、現金や自転車を狙った盗難事件が相次いで発生しました。犯人は夜間に住宅へ侵入し、物品を窃取して山田線や宮古街道を利用して逃走する手口を繰… 続きを読む
a盛岡・岩手郡・紫波郡 20 12月 1938 岩手郡寺田村の強盗傷人事件(S13.12.20) 昭和13年、岩手県岩手郡寺田村第四地割に住む当時22歳の青年は、貧農の次男として大正10年頃に生まれた。彼は両親のもとで尋常小学校を卒業後、製炭夫や日雇い労働者として働いていた。昭和11年11月、親戚から兄と共に融資を受け木炭製造を始めたが、翌年5月に兄が日中戦争で応召し出征。青年は一人で木炭製造を… 続きを読む
f花巻・稗貫郡 12 5月 1938 花巻の少年店員殺し(S13.5.12) 昭和13年5月12日夜、岩手県稗貫郡花巻町(現・花巻市)字上町の食料品店「明治屋」に奇妙な電話がかかってきた。電話の主は「花巻駅前の公衆電話からかけている」と名乗り、生菓子を一円分届けてほしいと依頼。さらに「工藤医院に届けてほしい」と指定し、十円札で支払うから九円の釣銭を持ってくるよう求めた。明治屋… 続きを読む
a盛岡・岩手郡・紫波郡 20 4月 1938 厚生省「戦時でもあるし性病予防対策に診療所を!」→盛岡市では…(昭和13年4月20日) 昭和13年4月20日の岩手日報より。 厚生省は、岩手県を通じて「戦時疾病に備え花柳病予防の診療所を設置するように」と、盛岡市に要請してきたのだという。 これに対し、盛岡市では内丸の診療所を拡張設備することで対応することにしたようである。 そこで、診療所の裏手の県経済部長官舎を明け渡してほしいと県に交… 続きを読む
h水沢・江刺・胆沢郡 6 3月 1938 女工契約を装い前渡金を詐取した村役場吏員(昭和13年3月6日) 昭和13年3月6日の岩手日報より。 江刺郡伊手村の35歳の書記は出稼ぎ指導員でもあったが、女工の募集に来た滋賀県の近江絹糸の募集員に、村内の2名の少女(17歳、16歳)と勝手に契約を結び、前渡金70円を自分が詐取したということで、執務中に岩谷堂警察署に連行されることとなった。 ところがこの書記、この… 続きを読む
e釜石・遠野・上閉伊郡 4 3月 1938 釜石にはびこる鉄屑泥棒 昭和13年3月4日の岩手日報より。 「鉄の都」として軍事的にも重要な位置にあった釜石であったが。釜石製鉄所構内から鉄屑や鉄製品を盗み出す少年窃盗団が検挙されたという。 この少年たちが自白しただけでも75件。200円前後であったというが、この手の被害が増加しており、警察では全滅の為に努力していくとして… 続きを読む
e釜石・遠野・上閉伊郡 3 3月 1938 釜石の印刷所で不穏なトラブル(昭和13年3月3日) 昭和13年3月3日の岩手日報の広告欄より。 釜石市内の印刷所で何やら不穏な裁判沙汰があったらしい。 釜石で営業していた東海印刷所は、遠野区裁判所を通じ岩手日報社に仮処分の申請をされたらしい。 しかしそれは「巧妙陋劣なる申請」であり「岩手日報社の干渉を受ける理由はない」として突っぱねている。 そしてそ… 続きを読む
g北上・和賀郡 15 6月 1937 湯田村の放火殺人事件(S12.6.15) 昭和9年10月10日午後10時30分ごろ、和賀郡湯田村大荒沢で最初の火災が発生した。この火災は便所から出火し、家が全焼した。原因は高齢の養母が灰の処理を怠ったことによる失火とされ、起訴猶予となった。 同年12月2日午後10時30分ごろ、同じ部落内で再び火災が発生した。今回は物置小屋が火元となり、家屋… 続きを読む
a盛岡・岩手郡・紫波郡 27 5月 1937 松尾鉱山の文盲鉱夫と盛岡の悪い女 盛岡区裁判所で行われた裁判より。 山形県の山中で生まれ、あまりに僻地であることから3か月しか学校へ行かずに字が読めず、九州の炭鉱などで鉱夫として働いていた。 生母と生き別れになっていたが、その生母が盛岡にいることが分かり盛岡へ行き、松尾鉱山で働くようになった。 ところが鉱夫仲間の時計を盗んで盛岡市内… 続きを読む
e釜石・遠野・上閉伊郡 16 5月 1937 明治神宮で賽銭泥という不敬を働いた男の親は・・・ 明治神宮は明治天皇を祭る畏き神域。 その明治神宮で賽銭泥棒という大それた不敬をしでかした30歳の男は、岩手県のどこだかの街の出身だった。 郷里に住むその男の父親だけでなく、その町の町長までが東京に出て明治神宮でお詫び行脚である。 明治神宮の神域で不敬を働くということは、それほどの大それたことであった… 続きを読む
a盛岡・岩手郡・紫波郡 16 5月 1937 本日不在事件(昭和12年5月16日) 「ガールズちゃんねる」に、心霊スポット関係のスレッドがある。 そこに、盛岡出身と思しき方の書き込みがあった。 北夕顔瀬町の殺人事件があった場所が、小学生の肝試しスポットとなっているのだという。 まあ元気があって何よりですこと・・・ という気もしないではないが、殺人事件があると、このように心霊スポット… 続きを読む
a盛岡・岩手郡・紫波郡 16 5月 1937 盛岡農学校の寄宿舎で火災 原因は生徒のタバコ 5月15日朝8:05頃の朝礼中、紫波郡見前村の盛岡農学校の寄宿舎で火を噴いているのを教頭が発見した。 直ちに教員・生徒総動員で消火に努め、9時ごろ鎮火した。 寄宿舎の隣には15,000円相当の蚕種があったが、それは無事であったという。 原因は寄宿舎にが行っている二戸郡出身の生徒の煙草の不始末で、朝に… 続きを読む
k大船渡・陸前高田・気仙郡 2 9月 1936 末崎村の一家無理心中(S11.9.2) 昭和11年9月1日夜、気仙郡末崎村(現・岩手県大船渡市末崎町)に帰省していた44歳の男性が、娘と同じ部屋で就寝していた。この男性は貨物運送船の船員として家族を支えていたが、大正5~6年ごろ、売卜者(占い師)の言葉を信じ、住居の東隣に厩舎を新築した。この新築費用として数百円の借金を負い、その後も家族の… 続きを読む
d宮古・下閉伊郡 30 7月 1935 下閉伊郡刈屋村で不倫に狂った木こりの娘殺し(S10.7.30) 昭和10年(1935年)7月29日、岩手県下閉伊郡刈屋村(現宮古市刈屋)の弥栄工業株式会社林業部で働いていた新潟県岩船郡関谷村(現村上市関谷)出身の38歳の男が事件を起こしました。この男は昭和3年に妻を亡くし、当時10歳の長女を連れて各地を転々としながら土木作業に従事していましたが、下閉伊郡で仕事を… 続きを読む
c久慈・九戸郡 21 4月 1935 種市で少年店員が主家を一家鏖殺(S10.4.21) 昭和10年4月21日、岩手県九戸郡種市村(現在の洋野町種市地区)で一家三人が惨殺される事件が発生しました。犯人はこの家に住み込みで働いていた17歳の少年で、事件の動機には姉への感謝と思い込み、さらに読んでいた大衆文芸作品『鳴門秘帖』の影響が関わっていました。 少年は貧しい家庭に生まれ、姉(当時26歳… 続きを読む