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明治神宮で賽銭泥という不敬を働いた男の親は・・・ e釜石・遠野・上閉伊郡

明治神宮で賽銭泥という不敬を働いた男の親は・・・

明治神宮は明治天皇を祭る畏き神域。 その明治神宮で賽銭泥棒という大それた不敬をしでかした30歳の男は、岩手県のどこだかの街の出身だった。 郷里に住むその男の父親だけでなく、その町の町長までが東京に出て明治神宮でお詫び行脚である。 明治神宮の神域で不敬を働くということは、それほどの大それたことであった…
本日不在事件(昭和12年5月16日) a盛岡・岩手郡・紫波郡

本日不在事件(昭和12年5月16日)

「ガールズちゃんねる」に、心霊スポット関係のスレッドがある。 そこに、盛岡出身と思しき方の書き込みがあった。 北夕顔瀬町の殺人事件があった場所が、小学生の肝試しスポットとなっているのだという。 まあ元気があって何よりですこと・・・ という気もしないではないが、殺人事件があると、このように心霊スポット…
盛岡農学校の寄宿舎で火災 原因は生徒のタバコ a盛岡・岩手郡・紫波郡

盛岡農学校の寄宿舎で火災 原因は生徒のタバコ

5月15日朝8:05頃の朝礼中、紫波郡見前村の盛岡農学校の寄宿舎で火を噴いているのを教頭が発見した。 直ちに教員・生徒総動員で消火に努め、9時ごろ鎮火した。 寄宿舎の隣には15,000円相当の蚕種があったが、それは無事であったという。 原因は寄宿舎にが行っている二戸郡出身の生徒の煙草の不始末で、朝に…
末崎村の一家無理心中(S11.9.2) k大船渡・陸前高田・気仙郡

末崎村の一家無理心中(S11.9.2)

昭和11年9月1日夜、気仙郡末崎村(現・岩手県大船渡市末崎町)に帰省していた44歳の男性が、娘と同じ部屋で就寝していた。この男性は貨物運送船の船員として家族を支えていたが、大正5~6年ごろ、売卜者(占い師)の言葉を信じ、住居の東隣に厩舎を新築した。この新築費用として数百円の借金を負い、その後も家族の…
下閉伊郡刈屋村で不倫に狂った木こりの娘殺し(S10.7.30) d宮古・下閉伊郡

下閉伊郡刈屋村で不倫に狂った木こりの娘殺し(S10.7.30)

昭和10年(1935年)7月29日、岩手県下閉伊郡刈屋村(現宮古市刈屋)の弥栄工業株式会社林業部で働いていた新潟県岩船郡関谷村(現村上市関谷)出身の38歳の男が事件を起こしました。この男は昭和3年に妻を亡くし、当時10歳の長女を連れて各地を転々としながら土木作業に従事していましたが、下閉伊郡で仕事を…
種市で少年店員が主家を一家鏖殺(S10.4.21) c久慈・九戸郡

種市で少年店員が主家を一家鏖殺(S10.4.21)

昭和10年4月21日、岩手県九戸郡種市村(現在の洋野町種市地区)で一家三人が惨殺される事件が発生しました。犯人はこの家に住み込みで働いていた17歳の少年で、事件の動機には姉への感謝と思い込み、さらに読んでいた大衆文芸作品『鳴門秘帖』の影響が関わっていました。 少年は貧しい家庭に生まれ、姉(当時26歳…
釜石町に大火が発生し22戸が全焼(昭和10年3月7日) e釜石・遠野・上閉伊郡

釜石町に大火が発生し22戸が全焼(昭和10年3月7日)

昭和10年3月8日の岩手日報より。 3月7日の午前1時過ぎ、釜石町大渡3丁目から発火、22戸全焼したと言う火災が発生した。 出火と同時に、町役場では吏員が非常召集し救護に出動した。 そして、焼け出された避難民に炊き出しを行い、20日分の食料と、罹災資金20円、被覆は1人につき5円、学用品は3円を配給…
三陸大津波2周年で県庁で避難演習(昭和10年3月3日) a盛岡・岩手郡・紫波郡

三陸大津波2周年で県庁で避難演習(昭和10年3月3日)

昭和10年3月3日の岩手日報より。 昭和8年3月3日、三陸大津波は岩手県にも甚大な被害を及ぼした。 そこから2年が経過し、岩手県庁では避難演習をしたのである。 想定としては「上閉伊郡釜石港に津波の襲来があり、本県海岸一帯人畜家屋の被害甚大、盛岡市内赤十字病院裏手より発火し目下北風にあおられて延焼中」…
炭焼きしか知らない山の娘は親の死で孤児となり…(昭和10年3月1日) i一関・西磐井郡

炭焼きしか知らない山の娘は親の死で孤児となり…(昭和10年3月1日)

昭和10年3月3日の岩手日報より。 3月1日の17時半ごろ、一関警察署に14歳から15歳の女の子がきた。 曰く「私をどこかに世話してください」と。 この女の子の本籍地は福島県のようであるが、父は炭焼きをして山から山を渡り歩き、数年前から東磐井郡大津保村の津谷川でこもって炭焼きをしていた。 しかし、昭…
浄法寺村議会で放尿・乱闘さわぎ(昭和10年2月27日) b二戸・二戸郡

浄法寺村議会で放尿・乱闘さわぎ(昭和10年2月27日)

昭和10年3月1日の岩手日報より。 浄法寺村議会では、前の村長の功労金として、3500円を出すべく議案を提出した。 これに対して、傍聴者50名が議場に押し寄せて村長を罵倒するなどとなった。 15時ごろ、この件に不満を抱く村議会議員が、酒気を帯びて役場へ行き、「この功労金の議案を可決してみろ!ただでは…
発狂した父を家族全員で殺す(S9.11.3) c久慈・九戸郡

発狂した父を家族全員で殺す(S9.11.3)

昭和9年11月13日、岩手県九戸郡久慈町(現久慈市)で、精神病を患い凶暴化した夫に対する家庭内の不安と生活苦に悩んだ妻が、長男と次男と共謀して夫を毒殺する事件が発生しました。事件の発端は、地元医師が死体に疑問を抱き警察に通報したことでした。 亡くなった夫は8月ごろから精神異常を発症し、家族への暴力や…
荒沢村の座敷牢放火殺人事件(S9.9.1) b二戸・二戸郡

荒沢村の座敷牢放火殺人事件(S9.9.1)

昭和9年9月1日、岩手県二戸郡荒沢村(現在の八幡平市荒屋新町)で、精神疾患により自宅裏手の監置場に隔離されていた男が火災によって焼死する事件が発生した。この監置場は、男が暴行を働くようになったため、同年4月末に木造で建設されたものだった。 焼死した男は、精神疾患を発症する以前は牛馬商を営んでおり、そ…
江刈村の殺人放火事件(S9.4.1) a盛岡・岩手郡・紫波郡

江刈村の殺人放火事件(S9.4.1)

昭和9年4月1日、岩手県九戸郡江刈村(現岩手郡葛巻町江刈)のある家の物置小屋で火災が発生し、小屋は全焼しました。焼け跡から女性の焼死体が発見され、その後の調査で、その家に住む女性であることが判明しました。 現場は警察署から約40キロメートル離れた寒村にあり、検証と解剖の結果、被害者は頭部に鈍器のよう…
金田一村の両親殺し事件(S9.3.30) b二戸・二戸郡

金田一村の両親殺し事件(S9.3.30)

昭和9年(1934年)3月30日未明、岩手県二戸郡金田一村(現・岩手県二戸市金田一)の農家で殺人事件が発生しました。事件現場は金田一村大字野々上字潰谷地にある一軒家で、山間部に位置し、交通の便が非常に悪い場所でした。 事件当夜、家主(当時49歳)とその妻(当時46歳)が殺害されました。長女(当時20…
三陸大津波に対する東京での動向 e釜石・遠野・上閉伊郡

三陸大津波に対する東京での動向

昭和8年3月3日に三陸大津波が発生、東北地方で甚大な被害が発生する。 翌3月4日の読売新聞では、むしろ宮城県での被害を大きく報じている。 見出しは以下のようになっている。 惨!生地獄の三陸 震水害地の実地踏査記 宮城県 セメントの空樽に納棺 涙で形ばかりの手向 右往左往哀れ罹災者群 から桑村地方の惨…
八戸の男が盛岡や宮古で詐欺行脚(S8.11.1岩手日報) a盛岡・岩手郡・紫波郡

八戸の男が盛岡や宮古で詐欺行脚(S8.11.1岩手日報)

八戸の男が岩手県内でこんなことをやらかした。 宮古で3円の宿代を踏み倒し、 盛岡で食い逃げ、 盛岡の別の料理店で「女中を世話してやる」と手付金30円を持ち逃げ、 盛岡市内の36歳離婚女性に「一緒になれば宮古で漁業をする」と結婚を約束するも、宮古で売られそうになっていることを察知し逃げられ、 宮古で「…
世田谷の老婆殺し(S8.6.23) h水沢・江刺・胆沢郡

世田谷の老婆殺し(S8.6.23)

昭和8年6月24日、岩手県水沢警察署の司法主任は『東京新聞』の記事に注目した。記事には、6月23日に東京市世田谷区玉川町で老女の絞殺遺体が発見され、身元が不明ながら田舎出身と推測されると記されていた。この情報を基に、警察は被害者の写真を県内外の警察署に送り、身元特定を進めた。 捜査の結果、岩手県水沢…
川徳では春の呉服・雑貨大売出し! a盛岡・岩手郡・紫波郡

川徳では春の呉服・雑貨大売出し!

昭和8年3月4日の岩手日報より。 前日に発生した三陸大津波に際し、「畏き辺り」つまり天皇陛下(というか宮内省なんだろうけど)は被害を「痛く御軫念あらせられ」、昭和2年の北丹後地震の時と同様、侍従を被災地にお差遣することとした、というニュース。 そのわきでは盛岡の川徳が「春の呉服・雑貨大売出し」の広告…
三陸大津波 c久慈・九戸郡

三陸大津波

昭和8年3月3日午前2時30分、釜石市東方200kmの海上でマグニチュード8.1の地震が発生。 正直、これ以上のことは写真も含めてWikipediaを見ればすべて分かるので、そちらをご覧ありたい。 ここでは、この地震と大津波が岩手県内でどのように報じられたかということについてのみ触れておくことにする…
昭和初期は疾病に関するプライバシーなど無かった i一関・西磐井郡

昭和初期は疾病に関するプライバシーなど無かった

今でこそ、病気に関する情報はプライバシーとして守られているが、昔は全然そんな概念などなかった。 有効な治療法が存在しなかった時代は、せめて「どこの家で発生したか」知ることで、感染を防ぐという需要はあったのかも知れない。 2020年からのコロナ禍においても、「感染者のプライバシーの為に住所は公表しない…
盛岡警察署の交通取締の結果(昭和7年11月1日) a盛岡・岩手郡・紫波郡

盛岡警察署の交通取締の結果(昭和7年11月1日)

昭和7年11月1日の岩手日報より。 盛岡警察署では、10月18日〜30日まで各交番を指揮して交通一斉取り締まりを実施した。 その結果は以下の通り。 告発 28件 自動車無免許運転 3件 自動車泥除け無し 1件 自動車規定表示無し 6件 貨物自動車に乗車 1件 自転車警告設備無し 5件 自転車無灯火 …
花巻駅付近の人身事故は二高生の心中(昭和7年7月1日) f花巻・稗貫郡

花巻駅付近の人身事故は二高生の心中(昭和7年7月1日)

昭和7年7月3日の読売新聞より。 7月1日の夜、東北本線の花巻付近で男女が轢死する人身事故があった。 どうやら遺留品を見てみると、二高(旧制。現在の東北大学教養部)の生徒とその恋人らしい。 仙台からも二高の生徒主事がやってきて確認に来たところ「間違いない」ということになった。 ところが、その二高生の…
西磐井郡萩荘村で29歳の男が復縁目当てに放火(S6.9.13岩手日報) i一関・西磐井郡

西磐井郡萩荘村で29歳の男が復縁目当てに放火(S6.9.13岩手日報)

昭和6年9月13日の岩手日報によれば、西磐井郡萩荘村(現在の一関市)で、ある村議の次男(29歳)が、なんとも浅はかな理由から放火事件を起こしました。 記事の大見出しは「世にも浅はか 男のお七 家事手伝いの功を狙って離縁の妻方に放火」。 ここでいう「お七」とは、井原西鶴『好色五人女』にも登場する、恋人…
中華民国の大水害に岩手県下でも義援金(S6.9.11岩手日報) l全県

中華民国の大水害に岩手県下でも義援金(S6.9.11岩手日報)

昭和6年9月11日の岩手日報には、当時の中華民国で発生した未曾有の大水害に対し、岩手県内でも義援金募集が始まったことが報じられています。 1931年中国大洪水は、黄河・長江・淮河流域を襲った一連の洪水で、記録上最悪級の自然災害とされます。前年までの旱魃に続く豪雨と雪解け、さらに活発だった台風活動が重…
市日の久慈で巡査がちょっと自動車を運転してみたら大惨事(昭和6年8月31日) c久慈・九戸郡

市日の久慈で巡査がちょっと自動車を運転してみたら大惨事(昭和6年8月31日)

昭和六年八月三十一日──その日は久慈町の「市日」で、二十八日町は近郷近在からの買い物客でごった返していた。 そんな雑踏のさなか、突如として乗合自動車が群衆をなぎ倒す。 ナンバー「岩二九」のその車両は、軽米自動車組合のものであり、本来であれば軽米〜久慈間を運行しているはずのバスであった。 しかし、事件…