i社会

発狂した父を家族全員で殺す(S9.11.3) c久慈・九戸郡

発狂した父を家族全員で殺す(S9.11.3)

昭和9年11月13日、岩手県九戸郡久慈町(現久慈市)で、精神病を患い凶暴化した夫に対する家庭内の不安と生活苦に悩んだ妻が、長男と次男と共謀して夫を毒殺する事件が発生しました。事件の発端は、地元医師が死体に疑問を抱き警察に通報したことでした。 亡くなった夫は8月ごろから精神異常を発症し、家族への暴力や…
和賀川下流で流木を拾った住民が次々検挙(S9.9.2岩手日報) g北上・和賀郡

和賀川下流で流木を拾った住民が次々検挙(S9.9.2岩手日報)

昭和9年9月2日付の岩手日報には、当時の社会情勢を伝える興味深い記事が並んでいます。 最も大きな記事は、和賀川の下流で起きた流木の持ち出しに関する事件です。昭和9年7月29日の増水に際し、江釣子村、三ヶ尻村、岩崎村の河岸に大量の木材や薪が漂着しました。これらを付近の住民が持ち去ったため、黒沢尻署が捜…
荒沢村の座敷牢放火殺人事件(S9.9.1) b二戸・二戸郡

荒沢村の座敷牢放火殺人事件(S9.9.1)

昭和9年9月1日、岩手県二戸郡荒沢村(現在の八幡平市荒屋新町)で、精神疾患により自宅裏手の監置場に隔離されていた男が火災によって焼死する事件が発生した。この監置場は、男が暴行を働くようになったため、同年4月末に木造で建設されたものだった。 焼死した男は、精神疾患を発症する以前は牛馬商を営んでおり、そ…
江刈村の殺人放火事件(S9.4.1) a盛岡・岩手郡・紫波郡

江刈村の殺人放火事件(S9.4.1)

昭和9年4月1日、岩手県九戸郡江刈村(現岩手郡葛巻町江刈)のある家の物置小屋で火災が発生し、小屋は全焼しました。焼け跡から女性の焼死体が発見され、その後の調査で、その家に住む女性であることが判明しました。 現場は警察署から約40キロメートル離れた寒村にあり、検証と解剖の結果、被害者は頭部に鈍器のよう…
金田一村の両親殺し事件(S9.3.30) b二戸・二戸郡

金田一村の両親殺し事件(S9.3.30)

昭和9年(1934年)3月30日未明、岩手県二戸郡金田一村(現・岩手県二戸市金田一)の農家で殺人事件が発生しました。事件現場は金田一村大字野々上字潰谷地にある一軒家で、山間部に位置し、交通の便が非常に悪い場所でした。 事件当夜、家主(当時49歳)とその妻(当時46歳)が殺害されました。長女(当時20…
三陸大津波に対する東京での動向 e釜石・遠野・上閉伊郡

三陸大津波に対する東京での動向

昭和8年3月3日に三陸大津波が発生、東北地方で甚大な被害が発生する。 翌3月4日の読売新聞では、むしろ宮城県での被害を大きく報じている。 見出しは以下のようになっている。 惨!生地獄の三陸 震水害地の実地踏査記 宮城県 セメントの空樽に納棺 涙で形ばかりの手向 右往左往哀れ罹災者群 から桑村地方の惨…
八戸の男が盛岡や宮古で詐欺行脚(S8.11.1岩手日報) a盛岡・岩手郡・紫波郡

八戸の男が盛岡や宮古で詐欺行脚(S8.11.1岩手日報)

昭和8年11月1日の岩手日報の紙面を眺めていると、なんとも呆れた男の逮捕劇が目に留まります。口から出まかせを並べ立てて盛岡と宮古の間を往復し、行く先々で人を欺き続けた男が、ついに年貢の納め時を迎えたという記事です。 この男は当時37歳で、昭和8年9月13日に青森刑務所を出たばかりでした。しかし更生す…
世田谷の老婆殺し(S8.6.23) h水沢・江刺・胆沢郡

世田谷の老婆殺し(S8.6.23)

昭和8年6月24日、岩手県水沢警察署の司法主任は『東京新聞』の記事に注目した。記事には、6月23日に東京市世田谷区玉川町で老女の絞殺遺体が発見され、身元が不明ながら田舎出身と推測されると記されていた。この情報を基に、警察は被害者の写真を県内外の警察署に送り、身元特定を進めた。 捜査の結果、岩手県水沢…
川徳では春の呉服・雑貨大売出し! a盛岡・岩手郡・紫波郡

川徳では春の呉服・雑貨大売出し!

昭和8年3月4日の岩手日報より。 前日に発生した三陸大津波に際し、「畏き辺り」つまり天皇陛下(というか宮内省なんだろうけど)は被害を「痛く御軫念あらせられ」、昭和2年の北丹後地震の時と同様、侍従を被災地にお差遣することとした、というニュース。 そのわきでは盛岡の川徳が「春の呉服・雑貨大売出し」の広告…
三陸大津波 c久慈・九戸郡

三陸大津波

昭和8年3月3日午前2時30分、釜石市東方200kmの海上でマグニチュード8.1の地震が発生。 正直、これ以上のことは写真も含めてWikipediaを見ればすべて分かるので、そちらをご覧ありたい。 ここでは、この地震と大津波が岩手県内でどのように報じられたかということについてのみ触れておくことにする…
昭和初期は疾病に関するプライバシーなど無かった i一関・西磐井郡

昭和初期は疾病に関するプライバシーなど無かった

今でこそ、病気に関する情報はプライバシーとして守られているが、昔は全然そんな概念などなかった。 有効な治療法が存在しなかった時代は、せめて「どこの家で発生したか」知ることで、感染を防ぐという需要はあったのかも知れない。 2020年からのコロナ禍においても、「感染者のプライバシーの為に住所は公表しない…
東磐井郡興田村で電灯引く引く詐欺(S8.2.1岩手日報) j東磐井郡

東磐井郡興田村で電灯引く引く詐欺(S8.2.1岩手日報)

昭和八年二月一日付の岩手日報を開くと、当時の岩手県における光と影が混ざり合った二つの事件が目に飛び込んできます。 まず右側の記事に綴られているのは、電灯のない村の希望を逆手に取った卑劣な詐欺事件です。犯人は宮城県牡鹿郡石巻町新田町に住む西城一郎という三十五歳の男でした。彼は岩手県東磐井郡興田村、現在…
黒沢尻で食い逃げ(S7.11.1岩手日報) g北上・和賀郡

黒沢尻で食い逃げ(S7.11.1岩手日報)

昭和7年11月1日の岩手日報に掲載された、なんとも巧妙で人騒がせな事件をご紹介します。 舞台は現在の北上市にあたる黒沢尻町芳方小路。登場するのは23歳の畳職、工藤という男です。彼は10月20日の夜、1歳年上の知人である土木工の菅原さんを「今日は奢るから」と言葉巧みに誘い出し、飲食店へと繰り出しました…
青森県警察部でニセ高文官僚(S7.11.1岩手日報) m県外・参考

青森県警察部でニセ高文官僚(S7.11.1岩手日報)

昭和七年十一月一日の岩手日報に、青森から電話で届けられた驚くべきニュースが掲載されています。自分と同じ名前を持つ「エリート合格者」の経歴を丸ごと盗み、警察幹部の座を手に入れた男の、あまりに大胆ななりすまし事件です。 事件の主役は、青森県西津軽郡出精村(現在のつがる市)出身の三十四歳の男でした。男は、…
盛岡警察署の交通取締の結果(昭和7年11月1日) a盛岡・岩手郡・紫波郡

盛岡警察署の交通取締の結果(昭和7年11月1日)

昭和7年11月1日の岩手日報より。 盛岡警察署では、10月18日〜30日まで各交番を指揮して交通一斉取り締まりを実施した。 その結果は以下の通り。 告発 28件 自動車無免許運転 3件 自動車泥除け無し 1件 自動車規定表示無し 6件 貨物自動車に乗車 1件 自転車警告設備無し 5件 自転車無灯火 …
花巻駅付近の人身事故は二高生の心中(昭和7年7月1日) f花巻・稗貫郡

花巻駅付近の人身事故は二高生の心中(昭和7年7月1日)

昭和7年7月3日の読売新聞より。 7月1日の夜、東北本線の花巻付近で男女が轢死する人身事故があった。 どうやら遺留品を見てみると、二高(旧制。現在の東北大学教養部)の生徒とその恋人らしい。 仙台からも二高の生徒主事がやってきて確認に来たところ「間違いない」ということになった。 ところが、その二高生の…
五・一五事件を伝える号外(S7.5.17岩手日報) l全県

五・一五事件を伝える号外(S7.5.17岩手日報)

【歴史の断片】昭和7年5月16日、号外が伝えた「五・一五事件」の衝撃 こんにちは。本日は、蔵書や遺品の中から見つかった、非常に貴重な資料をご紹介します。 Screenshot 日付は昭和7年(1932年)5月16日。発行は岩手日報(号外)です。 そこに記されていたのは、日本の近代史を大きく変えてしま…
西磐井郡萩荘村で29歳の男が復縁目当てに放火(S6.9.13岩手日報) i一関・西磐井郡

西磐井郡萩荘村で29歳の男が復縁目当てに放火(S6.9.13岩手日報)

昭和6年9月13日の岩手日報によれば、西磐井郡萩荘村(現在の一関市)で、ある村議の次男(29歳)が、なんとも浅はかな理由から放火事件を起こしました。 記事の大見出しは「世にも浅はか 男のお七 家事手伝いの功を狙って離縁の妻方に放火」。 ここでいう「お七」とは、井原西鶴『好色五人女』にも登場する、恋人…
中華民国の大水害に岩手県下でも義援金(S6.9.11岩手日報) l全県

中華民国の大水害に岩手県下でも義援金(S6.9.11岩手日報)

昭和6年9月11日の岩手日報には、当時の中華民国で発生した未曾有の大水害に対し、岩手県内でも義援金募集が始まったことが報じられています。 1931年中国大洪水は、黄河・長江・淮河流域を襲った一連の洪水で、記録上最悪級の自然災害とされます。前年までの旱魃に続く豪雨と雪解け、さらに活発だった台風活動が重…
市日の久慈で巡査がちょっと自動車を運転してみたら大惨事(昭和6年8月31日) c久慈・九戸郡

市日の久慈で巡査がちょっと自動車を運転してみたら大惨事(昭和6年8月31日)

昭和六年八月三十一日──その日は久慈町の「市日」で、二十八日町は近郷近在からの買い物客でごった返していた。 そんな雑踏のさなか、突如として乗合自動車が群衆をなぎ倒す。 ナンバー「岩二九」のその車両は、軽米自動車組合のものであり、本来であれば軽米〜久慈間を運行しているはずのバスであった。 しかし、事件…
あわや門崎村で自動車強盗事件になるところが暴風雨で命拾い(昭和6年6月3日) i一関・西磐井郡

あわや門崎村で自動車強盗事件になるところが暴風雨で命拾い(昭和6年6月3日)

昭和6年9月1日の『岩手日報』より。 8月31日に、一関にて自動車強盗未遂事件の公判が開かれた。被告は19歳の少年と21歳の男の2名である。事件は6月3日に発生したもので、自動車強盗を試みたが、未遂に終わっていた。 主犯とされたのは19歳の少年で、青森県下北半島の出身。製材工場でエンジン係として働い…
岩手共人会事件が報道解禁(S6.4.16岩手日報) h水沢・江刺・胆沢郡

岩手共人会事件が報道解禁(S6.4.16岩手日報)

【歴史の断片】昭和6年の言論弾圧 ― 岩手日報が伝えた「岩手共人会」事件の全貌 1. はじめに:沈黙を破った4月16日の紙面 今回ご紹介するのは、昭和6年(1931年)4月16日付の「岩手日報」の紙面です。 Screenshot 紙面には、治安維持法違反によって一斉検挙された「岩手共人会」事件の報道…
岩手県庁疑獄事件(S5.3.20判決) a盛岡・岩手郡・紫波郡

岩手県庁疑獄事件(S5.3.20判決)

昭和4年春、岩手県庁穀物検査所で現金約6,000円が盗まれる事件が発生した。犯人は金庫を盗み、中の現金を持ち去った後、金庫を窓外に捨てて逃走。この事件は内部関係者の犯行と疑われ、県庁関係者を対象に捜査が進められた。 捜査の結果、県庁会計課の職員が不審な豪遊を繰り返していることが判明。彼は遊郭や料亭で…
水沢区裁判所で猫を失火罪で訴える珍無類な裁判(S5.3.1岩手日報) h水沢・江刺・胆沢郡

水沢区裁判所で猫を失火罪で訴える珍無類な裁判(S5.3.1岩手日報)

昭和5年3月1日の『岩手日報』には、裁判所で繰り広げられた少し風変わりな一幕が紹介されている。 水沢区検事局から「失火罪」に問われたのは、江刺郡愛宕村(現在の奥州市)に暮らす当時33歳の女性だった。検察は略式命令として罰金20円を科したが、これに納得できなかった女性は、正式裁判を求めて異議を申し立て…
函館で不敬事件発生。内容は極秘(S5.3.1岩手日報) m県外・参考

函館で不敬事件発生。内容は極秘(S5.3.1岩手日報)

昭和5年3月1日の岩手日報によれば、函館市で不敬事件が発生し、関係者が拘束された。 事件は、函館地方裁判所の令状に基づき、潮見刑務所支所で取調べが行われたとされているが、その内容は「極秘」とされており、一切が伏せられている。罪名として「不敬罪」が示されているのみで、具体的にどのような発言や行動が問題…
選挙違反の捜査は医師やレントゲン写真まで(S5.3.1岩手日報) a盛岡・岩手郡・紫波郡

選挙違反の捜査は医師やレントゲン写真まで(S5.3.1岩手日報)

昭和5年の岩手県議会議員選挙をめぐり、盛岡地方裁判所検事局は大規模かつ徹底的な選挙違反捜査を展開していた。 この日報じられたのは、その取り調べが医療の領域にまで及んだという事実である。容疑の一つに「病気を装っていたのではないか」という疑惑が浮上し、検察はその裏付けとして病院関係者を聴取したのみならず…
原敬を暗殺した大塚駅転轍手の家族のその後(S5.3.1岩手日報) m県外・参考

原敬を暗殺した大塚駅転轍手の家族のその後(S5.3.1岩手日報)

大正10年11月4日、日本の総理大臣・原敬が東京の大塚駅で刺殺された。犯人は当時24歳の鉄道省転轍手・中岡艮一であり、裁判の結果、無期懲役の判決を受けた。 それから9年後の昭和5年3月1日、岩手日報には服役中の艮一の出所が近いという報道が掲載された。その記事では、東京・大塚駅近くで支那そば屋を営む艮…
盛岡の八幡町遊郭では娼妓にアンケート取って改革します!(S5.3.1岩手日報) a盛岡・岩手郡・紫波郡

盛岡の八幡町遊郭では娼妓にアンケート取って改革します!(S5.3.1岩手日報)

昭和5年3月1日の岩手日報には、盛岡市八幡町の貸座敷組合(遊郭)において、時代に即した改革が実施されることが報じられている。 記事によれば、貸座敷組合では、当時約80名にのぼる娼妓に対しアンケートを実施。その結果を踏まえて、以下のような改革案が採用された。 勘定書は仲居に持たせることとし、娼妓の手当…
達曽部村でパワー系池沼が父を殴り殺す(S5.1.25) e釜石・遠野・上閉伊郡

達曽部村でパワー系池沼が父を殴り殺す(S5.1.25)

昭和5年1月25日、岩手県上閉伊郡達曾部村(現・遠野市宮守町達曽部)で、37歳の男性が父親を殺害する事件が発生しました。この男性は精神薄弱とされ、普段から短気で、父親(当時67歳)との関係が悪く、しばしば口論が絶えませんでした。 事件当日、彼の7歳の息子が祖父に豆を求めましたが、祖父が「腹が減ったん…