農業

さあ、麦の供出だ(昭和20年8月17日) l全県

さあ、麦の供出だ(昭和20年8月17日)

昭和20年8月17日の岩手日報より。 それまで農家は「教室する麦を空襲で焼いては申し訳ない」と、袋に詰めて山の中に疎開させていた。 しかし、20日の供出期日が切迫していたので、農家は山から下ろしていた。 それまでの供出は、戦争に勝つための供出であったが、戦争が終わってしまったので、勝つための供出では…
新盆に初穂 声に出して読みたい盛岡弁 a盛岡・岩手郡・紫波郡

新盆に初穂 声に出して読みたい盛岡弁

終戦の日、つまり昭和20年8月15日の新岩手日報では、盛岡郊外の農家を取材している。 「この初穂、見でくなんせ。お盆に穂が出だら豊作でがす」 終戦の年は暑い夏だったといろいろな所で報告されている。 稲作は豊作の兆しであった。 「わしと同じ様にこの田を耕した祖先や戦死した倅も新盆で家に来てこの出穂をみ…
東磐井郡の大日本婦人会員が傷痍軍人に蕨・ぜんまいを贈る(昭和19年8月1日) j東磐井郡

東磐井郡の大日本婦人会員が傷痍軍人に蕨・ぜんまいを贈る(昭和19年8月1日)

昭和19年8月1日の岩手日報より。 東磐井郡下の大原・興田・折壁・奥玉・大津保・田河津・猿沢・長坂・舞川・門崎・渋民の各村の大日本婦人会支部員は、ワラビやゼンマイを採取しこれを乾燥したものが150貫(562.5kg)に達したので、これを傷痍軍人の為に送ることにした。     &n…
千厩に「たばこ神社」(昭和16年11月1日) j東磐井郡

千厩に「たばこ神社」(昭和16年11月1日)

昭和16年11月1日の岩手日報より。 葉タバコの産地として名高い東磐井地方では、紀元2600年を記念して「たばこ神社」を設立した。 そして水沢の駒形神社の宮司により、鎮座祭がおこなわれた。 現在でもなお、東磐井郡の観光スポットとして名前が上がっている。  …
警察「ガソリンの統制破りしやがって!配給は無しだ!」→製糸会社「春繭の集荷シーズンに御無体な…」 l全県

警察「ガソリンの統制破りしやがって!配給は無しだ!」→製糸会社「春繭の集荷シーズンに御無体な…」

昭和14年7月1日の岩手日報より。 岩手県内の県是製糸などがガソリン統制を破って16,000ガロンのガソリン密売事件をやらかした。 県是製糸側は「規制前に契約したものが規制後に到着しただけ。別に密売のつもりはなかった」と言うが、警察経済保安課は「同情する余地はない」と、ガソリン5,000ガロンの特配…
江刺郡稲瀬村に「精農塾」 h水沢・江刺・胆沢郡

江刺郡稲瀬村に「精農塾」

昭和13年3月5n日の岩手日報より。 江刺郡稲瀬村に、この年度の経済厚生助成事業として、稲瀬小学校の隣に「精農塾」を設置することとした。 これは、青年修養施設として、青年団員や青年学校生徒を合宿させ、農民精神の高揚や村有地の開墾事業を行わせるというもの。 精農塾には、農具はもとより荷車、農薬といった…
「雫石アネコ」の田植えを見物に行こう a盛岡・岩手郡・紫波郡

「雫石アネコ」の田植えを見物に行こう

昭和12年6月10日の岩手日報より。 見出しは「色とりどり雫石名物 美しの早乙女が泥田に描く詩情」。 令和になった今でも道の駅の名前になっているなど、雫石町の観光資源となっている「雫石あねっこ」であるが、それは戦前からだったようである。 岩手日報社により、雫石アネコの見物団が組織され、川口村長、盛岡…
凶作だった東北6県でなぜか郵便貯金の総額が増加 l全県

凶作だった東北6県でなぜか郵便貯金の総額が増加

昭和10年2月8日の読売新聞より。 前年は東北6県は凶作であった。 しかし、仙台貯金支局で発表したところによると、昭和10年1月末現在の貯金額は160,837,346円(+2,154,451円)、人員は2,948,913人(+17,500人)であったという。 もともと東北地方の貯金は貧弱であったとこ…
東北・北海道の米咲は全く絶望で昭和6年以上の凶作予想(昭和9年9月10日) l全県

東北・北海道の米咲は全く絶望で昭和6年以上の凶作予想(昭和9年9月10日)

昭和9年9月10日の岩手日報より。 昭和9年は、東北や北陸の水害、九州の干ばつ、それに関東・北陸・東北一帯の長雨という常軌を逸した天候で、全国的に水稲も作柄は悪いことがほぼ決定してしまった。 8月になって天候は回復したが、これも焼け石に水であり、場所によっては害虫や稲熱病等が発生し、農林省の調査によ…
あまりの凶作に犬猫まで殺して食べることに e釜石・遠野・上閉伊郡

あまりの凶作に犬猫まで殺して食べることに

昭和9年は天候不順により凶作の年となった。 どこかの村では、楢の実を食べて露命をつないでいたが、ついにそれも食べ尽くし、犬や猫まで殺して食べることにしたのだという。 この情報を聞いた県では、救済策を講じることになった。 ちなみに、小学校の児童は給食で命をつないでいるという。  …
ブラジル移民大募集 l全県

ブラジル移民大募集

昭和8年3月2日の岩手日報より。 岩手県庁がブラジルへの移民を募集している。 「3人以上の家族に限る」としているのは、労働力を求めていたサンパウロ州政府側がそのように求めていたため。      …
石黒知事が県北の凶作地を視察(昭和7年1月10日) b二戸・二戸郡

石黒知事が県北の凶作地を視察(昭和7年1月10日)

昭和7年1月10日の岩手日報より。 当時の石黒英彦知事は、県北の凶作地を視察して歩くことにしたのである。 知事は、二戸警察署長の案内で、馬橇に乗って小鳥谷村の軽井沢部落に差し掛かった。 谷底にあるみすぼらしい一軒家に「誰かいるかね」と声をかけたが返事がない。 それでもに二戸署長の案内で奥に入ると、中…
農家なら気になる「二百十日」、昭和6年はどうなる…?(昭和6年9月1日) m県外・参考

農家なら気になる「二百十日」、昭和6年はどうなる…?(昭和6年9月1日)

一年の節目の一つに「二百十日」というのがある。 これは、立春から数えて210日目のことを言い、毎年9月1日がこれに当たる。 この日は昔から台風がよく来ると言われており、せっかく育ててきた稲が台風で被害に遭うか遭わないかという重大な瀬戸際でもあったから、農家にとっては非常な一大事でもあった。 そこで、…
「必然的に滅亡する悲惨な山村」とまで酷評された村(昭和4年9月5日) d宮古・下閉伊郡

「必然的に滅亡する悲惨な山村」とまで酷評された村(昭和4年9月5日)

昭和4年9月6日の岩手日報より。 東京帝国大学の渡辺助教授は、農村調査のため下閉伊郡小国村に出張中であった。 そして9月5日に盛岡に至り、午後21時28分の列車で青森に向かったが、その調査の結果はかなり辛辣であった。 原始共産主義的な形態の村。 「隠し念仏」と言われる浄土真宗の一派の中心者が部落を支…
仙北町裏田んぼでイナゴ取り(昭和4年9月3日) a盛岡・岩手郡・紫波郡

仙北町裏田んぼでイナゴ取り(昭和4年9月3日)

昭和4年9月3日の岩手日報より。 1枚切りの写真記事ではあるのだが、盛岡市仙北町うらの田んぼで稲をとっている風景である。 「仙北町裏田圃」とはどのあたりになるだろうか。 現在国道4号線が走っている東仙北あたりになるのか、はたまた線路沿いあるいは線路から西の西仙北になるかだろうか。   &n…
二百十日は無事に過ぎる(昭和4年9月2日) a盛岡・岩手郡・紫波郡

二百十日は無事に過ぎる(昭和4年9月2日)

昭和4年9月2日の岩手日報より。 台風の当たり日であり、農家にとっては1年の実りを根こそぎ持っていかれる恐れのある農家の厄日「二百十日」も、今年は無事にすぎたようである。 写真は盛岡市梨木町の田んぼのようである。見事に稲が実っている。 岩手県立農事試験場の夏作定期調査によれば、この年の稲作は、大暑後…