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「一寸法師歌劇団」が来朝(S4.9.5岩手日報) m県外・参考

「一寸法師歌劇団」が来朝(S4.9.5岩手日報)

昭和4年9月3日、ある小さな人々の一行が「来朝」したとの報が、9月5日の『岩手日報』に掲載された。その名も「一寸法師歌劇団」。男女混成の近代的な一座でありながら、身長わずか二尺三寸(約70cm)から二尺九寸(約100cm)という小人症の団員たちで構成された異色の歌劇団である。 団員たちは、いわゆる「…
岩手出身の美術教師が帝展で入選(S4.9.2岩手日報) m県外・参考

岩手出身の美術教師が帝展で入選(S4.9.2岩手日報)

昭和4年の帝国美術展覧会(帝展)において、東京府立第一高等女学校(現・東京都立白鷗高校)の美術教師・橋本花子さんが、「七面鳥」と題する作品で新入選を果たした。しかも今回は「折紙付きの特選」として、高い評価を受けたことが紙面で紹介されている。 橋本さんは青森市の出身で、女子美術学校(現・女子美術大学)…
陸軍特別大演習の地図を予約販売します!(昭和3年9月4日) a盛岡・岩手郡・紫波郡

陸軍特別大演習の地図を予約販売します!(昭和3年9月4日)

昭和3年9月4日の岩手日報より。 盛岡市呉服町の書店「文明堂書店」では、同年10月に予定されている「岩手縣下特別大演習」のための地図が特約販売されると広告が出ている。 これは陸地測量部が編纂した演習地図で、陸軍の特別大演習にあわせて発行されるものであった。広告によれば、販売されるのは以下の2種: 五…
盛岡・紀念館では「続水戸黄門」を上映中(S3.9.4岩手日報) a盛岡・岩手郡・紫波郡

盛岡・紀念館では「続水戸黄門」を上映中(S3.9.4岩手日報)

昭和3年9月4日の岩手日報より。 盛岡の映画館「紀念館」では、日活映画『続水戸黄門』が上映されていた。 本作『続水戸黄門』は、1938年(昭和3年)4月15日に初公開された時代劇映画で、監督は仁科熊彦。主演の水戸光圀公には山本嘉一が扮している。前作『水戸黄門』の好評を受けて制作された続編で、勧善懲悪…
札幌の岩手県出身者学生寮「岩鷲寮」が太田村で映画会(S3.9.4岩手日報) a盛岡・岩手郡・紫波郡

札幌の岩手県出身者学生寮「岩鷲寮」が太田村で映画会(S3.9.4岩手日報)

札幌の地にある岩手県出身者の学生寮「岩鷲寮(がんじゅりょう)」が、岩手県内の太田村で映画会を開催したという記事が昭和3年(1928年)9月4日の『岩手日報』に掲載されている。 現在でこそ、太田村周辺――盛岡市盛南地区は都市的に開発され、大型商業施設や住宅地が広がる地域となっているが、昭和初期において…
岩鷲寮寮生の桜山神社参拝(S3.9.2岩手日報) a盛岡・岩手郡・紫波郡

岩鷲寮寮生の桜山神社参拝(S3.9.2岩手日報)

昭和3年9月2日の岩手日報によると、北海道で学ぶ岩手県出身の学生たちが暮らす寮「岩鷲寮(がんじゅりょう)」の寮生が、盛岡市内の桜山神社を参拝した。 これは、夏季休暇を利用して帰郷中の寮生が行ったもので、一行はそろって神社に赴き、拝殿の前で丁重に参拝する様子が報じられている。 写真には、整列した学生た…
岩手県公会堂で「音楽と舞踊の夕べ」(昭和3年9月1日) a盛岡・岩手郡・紫波郡

岩手県公会堂で「音楽と舞踊の夕べ」(昭和3年9月1日)

この日の紙面では、今晩盛岡の岩手県公会堂第一ホールにて開催される「音楽と舞踊の夕べ」の案内が掲載されている。午後7時開演、主催は岩手日報社。 出演は以下の通り: セロ(チェロ):高勇吉氏 アルト独唱:齋藤靜子夫人 バイオリン:高玉枝嬢 舞踊:ドイツの舞姫・ヘティー・ウツケル嬢(高氏新夫人) この時期…
平泉・毛越寺で国宝を盗んだまではよかったが、いや良くないが i一関・西磐井郡

平泉・毛越寺で国宝を盗んだまではよかったが、いや良くないが

昭和2年7月14日の東京朝日新聞・読売新聞より。 前年の大正15年9月、平泉・毛越寺から国宝数点が盗み出された。 藤原秀衡納「仏説宝網経」 釈尊直使「乱蛇体」 大原實守作名刀 運慶作仏像「毘沙門天」 玉手箱 これらは合計で当時の価格にして5~60万円相当の者であったという。 それで、岩手県警察部では…
盛岡・内丸座で「広瀬中佐」「幻の賊」「アイアンホース」「勝てば官軍」を公開(S2.4.22岩手日報) a盛岡・岩手郡・紫波郡

盛岡・内丸座で「広瀬中佐」「幻の賊」「アイアンホース」「勝てば官軍」を公開(S2.4.22岩手日報)

昭和2年4月22日の岩手日報より。 盛岡の映画館・内丸座では、この日から豪華な四本立て上映が行われた。戦争の英雄譚から西部劇、捕物、歴史劇まで揃ったそのラインナップは、まさに昭和初期の映画興行の活気を象徴するものであった。 『広瀬中佐』は松竹キネマ蒲田撮影所で製作され、大正15年(1926年)6月2…
一方井事件(S2.1.29) a盛岡・岩手郡・紫波郡

一方井事件(S2.1.29)

昭和2年(1927年)1月29日、岩手県岩手郡一方井村(現岩手町一方井)で発生した火災により男性が焼死しました。当初は事故死と判断されましたが、石油の臭いや頭部の裂傷から他殺の可能性が浮上しました。その後、この事件は天理教を背景にした複数の不審死を伴う猟奇的な犯罪へと発展しました。 火災後、昭和2年…
内丸座で「カラボタン」「ロイドの初恋」公開! a盛岡・岩手郡・紫波郡

内丸座で「カラボタン」「ロイドの初恋」公開!

昭和2年1月7日の岩手日報より。 この日から盛岡の内丸座では「カラボタン」「ロイドの初恋」など複数作品の公開が始まった。 「カラボタン」は1926年(大正15年)8月30日に松竹キネマ蒲田撮影所で製作された無声映画で、監督は野村芳亭。主演は諸口十九と筑波雪子。脚本は野村芳亭と村上徳三郎、原作は柴田端…
諒闇でも講談社の広告は元気(S2.1.4岩手日報) l全県

諒闇でも講談社の広告は元気(S2.1.4岩手日報)

昭和2年正月――前年末に大正天皇が崩御し、日本全体が厳粛な空気に包まれていたはずの時期である。新聞紙面も「諒闇」(りょうあん)として華美を避ける風潮が一般的だった。 ところが、そうした空気をまるで意に介さないような広告が、昭和2年1月4日付『岩手日報』朝刊に掲載された。発信元は、大日本雄弁会講談社。…
昭和初めての元朝参りは大賑わい(昭和2年1月1日) a盛岡・岩手郡・紫波郡

昭和初めての元朝参りは大賑わい(昭和2年1月1日)

昭和で初めてとなる元朝参りは、例年より大賑わいだったようで、盛岡八幡宮では1万人の人出であったという。 昭和2年1月4日の岩手日報より。 昭和2年に日が変わった2時頃には降雨があったようで人混みは一時期絶えたようである。 各神社のお賽銭は以下の通り。 盛岡八幡宮 170円 桜山神社 90円 招魂社 …
盛岡・内丸座で「蜘蛛」「腕鳴り肉躍る」「母よ恋し」「讐討乙女椿」初春特別大公開!(S元.12.31岩手日報) a盛岡・岩手郡・紫波郡

盛岡・内丸座で「蜘蛛」「腕鳴り肉躍る」「母よ恋し」「讐討乙女椿」初春特別大公開!(S元.12.31岩手日報)

大正天皇の崩御により、その翌日である昭和元年12月26日から5日間の歌舞音曲の禁止が警察から発令された。 昭和元年12月31日の岩手日報より。 大正天皇の崩御に伴って禁じられていた歌舞音曲の禁止がこの日ようやく解かれ、盛岡の内丸座ではすぐさま正月映画の特別興行が始まった。上映されたのは邦画と洋画の取…
聖上の御脳安かれと盛岡市内各銀行の代表者が八幡宮で祈願(大正15年12月13日) a盛岡・岩手郡・紫波郡

聖上の御脳安かれと盛岡市内各銀行の代表者が八幡宮で祈願(大正15年12月13日)

聖上(つまり大正天皇)は肺炎でご体調が優れず、葉山御用邸で病臥されていた。 それで、毎日の数時間おきの「御体温」「御呼吸」「御脈」が新聞の一面にて報道されていた。 そしてそれはラジオでも報道され、実際にラジオの契約件数が飛躍的に増加した時期でもあったのだという。 聖上の御快癒祈願は岩手県内でも行われ…
吹雪の中、飯岡尋常高等小学校生徒が村社で大正天皇の平癒祈願(大正15年12月11日) a盛岡・岩手郡・紫波郡

吹雪の中、飯岡尋常高等小学校生徒が村社で大正天皇の平癒祈願(大正15年12月11日)

肺炎で臥せっていた聖上(大正天皇)の御容態は、毎日このように新聞で報道されていた。 国民はこぞって聖上の平癒祈願を行っていた。 紫波郡飯岡村の飯岡尋常高等小学校生徒四百数十名は、吹雪の中を校長に引率され村社である秋葉神社で平癒祈願を行ったという。    …