昭和08年

三陸大津波に対する東京での動向 e釜石・遠野・上閉伊郡

三陸大津波に対する東京での動向

昭和8年3月3日に三陸大津波が発生、東北地方で甚大な被害が発生する。 翌3月4日の読売新聞では、むしろ宮城県での被害を大きく報じている。 見出しは以下のようになっている。 惨!生地獄の三陸 震水害地の実地踏査記 宮城県 セメントの空樽に納棺 涙で形ばかりの手向 右往左往哀れ罹災者群 から桑村地方の惨…
水沢町のラジオ熱(S8.11.3岩手日報) h水沢・江刺・胆沢郡

水沢町のラジオ熱(S8.11.3岩手日報)

昭和8年11月3日付の『岩手日報』は、水沢町におけるラジオ聴取者の急増を伝えている。記事によれば、この1年ほどの間に、町内のラジオ聴取世帯は約150戸から400戸へと一気に増えたという。 Screenshot この時代、水沢町にはまだ放送局はなく、盛岡放送局(JOQG)が開局するのは昭和13年、5年…
山田線開通祝賀ムードの川井村(S8.11.3岩手日報) d宮古・下閉伊郡

山田線開通祝賀ムードの川井村(S8.11.3岩手日報)

――昭和8年、鉄路が村の「距離感」を変える 昭和8年(1933年)11月3日付の岩手日報に、当時の川井村が山田線の延伸をどれほど待ち望んでいたかを伝える記事が載っている。見出しは「山田線に待望の川井村地方の人々」。沿線の人々が、まさに“線路が来る日”を指折り数えている空気が伝わってくる内容だ。 Sc…
宮古水産学校の同窓会「二八会」も遠洋漁業の発展に助力(S8.11.2岩手日報) d宮古・下閉伊郡

宮古水産学校の同窓会「二八会」も遠洋漁業の発展に助力(S8.11.2岩手日報)

昭和8年11月2日付の岩手日報に掲載された、宮古水産学校の卒業生団体「二八会」による熱い決意を伝える記事をご紹介します。 この記事は、当時の岩手県における漁業の未来を切り拓こうとする若きエリートたちの情熱に満ちています。当時、宮古水産学校の卒業生有志で組織されていた二八会は、遠洋漁業を飛躍的に躍進さ…
岩手医専教授「リンゴをすりおろして食べれば下痢に効果あり」(S8.11.2岩手日報) a盛岡・岩手郡・紫波郡

岩手医専教授「リンゴをすりおろして食べれば下痢に効果あり」(S8.11.2岩手日報)

昭和8年11月1日の岩手日報には、当時の医学界を驚かせた非常に興味深い記事が掲載されています。岩手医学専門学校の根本教授が東北医学大会で発表した、胃腸病に対する新しい治療法についてのニュースです。この記事は、リンゴの産地である岩手ならではの視点から、赤痢や腸カタルといった当時の深刻な感染症に挑んだ記…
肴町の永卯でスペシアルセール(昭和8年11月2日) a盛岡・岩手郡・紫波郡

肴町の永卯でスペシアルセール(昭和8年11月2日)

昭和8年11月2日の岩手日報より。 盛岡の中心街・肴町の永卯ではスペシャルセールをするという。   この永卯、この記事を書いている令和4年現在でも肴町でアクセサリーショップとして生業中であるが、この当時はファッションデパートとしての役割であったようだ。     &nbs…
八戸の男が盛岡や宮古で詐欺行脚(S8.11.1岩手日報) a盛岡・岩手郡・紫波郡

八戸の男が盛岡や宮古で詐欺行脚(S8.11.1岩手日報)

昭和8年11月1日の岩手日報の紙面を眺めていると、なんとも呆れた男の逮捕劇が目に留まります。口から出まかせを並べ立てて盛岡と宮古の間を往復し、行く先々で人を欺き続けた男が、ついに年貢の納め時を迎えたという記事です。 この男は当時37歳で、昭和8年9月13日に青森刑務所を出たばかりでした。しかし更生す…
岩手医専教授が胃腸病治療に「リンゴ食療法」提唱(S8.11.1岩手日報) a盛岡・岩手郡・紫波郡

岩手医専教授が胃腸病治療に「リンゴ食療法」提唱(S8.11.1岩手日報)

昭和8年11月1日の岩手日報には、当時の医学界を驚かせた非常に興味深い記事が掲載されています。岩手医学専門学校の根本教授が東北医学大会で発表した、胃腸病に対する新しい治療法についてのニュースです。この記事は、リンゴの産地である岩手ならではの視点から、赤痢や腸カタルといった当時の深刻な感染症に挑んだ記…
世田谷の老婆殺し(S8.6.23) h水沢・江刺・胆沢郡

世田谷の老婆殺し(S8.6.23)

昭和8年6月24日、岩手県水沢警察署の司法主任は『東京新聞』の記事に注目した。記事には、6月23日に東京市世田谷区玉川町で老女の絞殺遺体が発見され、身元が不明ながら田舎出身と推測されると記されていた。この情報を基に、警察は被害者の写真を県内外の警察署に送り、身元特定を進めた。 捜査の結果、岩手県水沢…
川徳では春の呉服・雑貨大売出し! a盛岡・岩手郡・紫波郡

川徳では春の呉服・雑貨大売出し!

昭和8年3月4日の岩手日報より。 前日に発生した三陸大津波に際し、「畏き辺り」つまり天皇陛下(というか宮内省なんだろうけど)は被害を「痛く御軫念あらせられ」、昭和2年の北丹後地震の時と同様、侍従を被災地にお差遣することとした、というニュース。 そのわきでは盛岡の川徳が「春の呉服・雑貨大売出し」の広告…
三陸大津波 c久慈・九戸郡

三陸大津波

昭和8年3月3日午前2時30分、釜石市東方200kmの海上でマグニチュード8.1の地震が発生。 正直、これ以上のことは写真も含めてWikipediaを見ればすべて分かるので、そちらをご覧ありたい。 ここでは、この地震と大津波が岩手県内でどのように報じられたかということについてのみ触れておくことにする…
ブラジル移民大募集(S8.3.2岩手日報) l全県

ブラジル移民大募集(S8.3.2岩手日報)

昭和8年、日本がブラジル移民を強力に推進した背景には、当時の社会が直面していた深刻な行き止まり感がありました。1920年代後半からの経済不況は、1929年の世界恐慌で決定的なものとなり、特に農村部は壊滅的な打撃を受けました。当時の日本は人口が急増していた一方で、国内の耕地面積には限界があり、あふれた…
昭和初期は疾病に関するプライバシーなど無かった i一関・西磐井郡

昭和初期は疾病に関するプライバシーなど無かった

今でこそ、病気に関する情報はプライバシーとして守られているが、昔は全然そんな概念などなかった。 有効な治療法が存在しなかった時代は、せめて「どこの家で発生したか」知ることで、感染を防ぐという需要はあったのかも知れない。 2020年からのコロナ禍においても、「感染者のプライバシーの為に住所は公表しない…
岩手県警察部の巡査採用試験の問題(昭和8年3月1日) a盛岡・岩手郡・紫波郡

岩手県警察部の巡査採用試験の問題(昭和8年3月1日)

岩手県の巡査採用試験は昭和8年3月1日午前9時から岩手県公会堂で行われた。 出願者250名に対し受験者は128名で、採用は15~16名の予定であるという。 そして、以下のような問題が出題されたという。 地理 イ、租借地 ロ、委任統治地の説明 ハ、奥羽地方にある県名を列挙しその県内の智明を列挙せよ 綴…
【参考】松岡洋右の国際連盟脱退演説「我が代表堂々退場す」 備考※1

【参考】松岡洋右の国際連盟脱退演説「我が代表堂々退場す」

岩手とは直接関係ないニュースではあるが、時代相を知る資料として。 満州事変の事実関係の調査を行った「リットン調査団」の調査報告書を国際連盟の場で採択することになった。 要は「日本が悪い。満州から手を引け」と。 松岡洋右は流暢な英語で長広舌の演説を行ったが、結局は42対1で採択される。 これに対し、松…
山海関の戦いで本県出身兵士は(S8.2.2岩手日報) l全県

山海関の戦いで本県出身兵士は(S8.2.2岩手日報)

昭和8年2月2日付の岩手日報を開くと、当時の岩手の人々がどのような緊張感の中にいたのかが鮮明に伝わってきます。この記事が書かれた当時、満州事変から続く情勢は緊迫の度を増していました。その象徴ともいえるのが、1月初旬に発生した山海関での衝突です。万里の長城の東端に位置し、満州と中国本土を繋ぐ要衝であっ…
三陸汽船が月3回の東京〜八戸航路を計画中(S8.2.1岩手日報) d宮古・下閉伊郡

三陸汽船が月3回の東京〜八戸航路を計画中(S8.2.1岩手日報)

昭和初期の三陸において、海路は人々の暮らしと経済を繋ぐ最大の大動脈でした。昭和八年二月一日付の岩手日報には、当時の三陸沿岸を象徴する企業である三陸汽船株式会社が、八戸、三陸沿岸、そして東京を結ぶ新たな航路の開拓を計画していたことが詳細に報じられています。 この記事の主役である三陸汽船は、明治四十一年…
東磐井郡興田村で電灯引く引く詐欺(S8.2.1岩手日報) j東磐井郡

東磐井郡興田村で電灯引く引く詐欺(S8.2.1岩手日報)

昭和八年二月一日付の岩手日報を開くと、当時の岩手県における光と影が混ざり合った二つの事件が目に飛び込んできます。 まず右側の記事に綴られているのは、電灯のない村の希望を逆手に取った卑劣な詐欺事件です。犯人は宮城県牡鹿郡石巻町新田町に住む西城一郎という三十五歳の男でした。彼は岩手県東磐井郡興田村、現在…
一関小学校の児童宅で最も多い楽器は三味線とハーモニカ(S8.2.1岩手日報) i一関・西磐井郡

一関小学校の児童宅で最も多い楽器は三味線とハーモニカ(S8.2.1岩手日報)

昭和8年2月1日付の岩手日報に掲載された「三味線とハーモニカ ― 最も多かった二つ」という記事は、当時の家庭における音楽文化の変遷を鮮やかに描き出しています。一関小学校が情操教育の参考資料として、児童の家庭にある楽器を調査したこの記録からは、和の伝統と洋の新しい波が混ざり合う、当時のモダンな生活風景…