いわて昭和史

雫石で「黒焼き」「ラクダの脳みそ」を薬として売る祈祷師の女を逮捕(昭和30年12月23日) a盛岡・岩手郡・紫波郡

雫石で「黒焼き」「ラクダの脳みそ」を薬として売る祈祷師の女を逮捕(昭和30年12月23日)

昭和30年12月24日の岩手日報より。 雫石町の自宅で「婦人科肋膜の薬・黒焼き」として炭の粉を売ったり、「ラクダの脳を煮染めた水」として精神病の薬だとして農民の無知に付け込んで売っていた祈祷師の女を12月23日に逮捕した。    …
宮古市役所「吏員ども!お前らにボーナス払ったら年越しできなくなるぞ!滞納税金取り立てて来い!」(昭和30年12月21日) d宮古・下閉伊郡

宮古市役所「吏員ども!お前らにボーナス払ったら年越しできなくなるぞ!滞納税金取り立てて来い!」(昭和30年12月21日)

昭和30年12月21日の岩手日報より。 宮古市では市役所吏員に冬のボーナスを支払ったら年末の諸々の支払いができなくなるという。 そこへ来て、過年度分の市税滞納が3700万円、昭和30年度も3200万円がまだ納付されないままだという。 そこで12月16日~27日を「納税強化期間」と位置づけ、全吏員に市…
東宝第一劇場で「照る日くもる日」「密輸船」公開!年に1度の50円興行!(昭和30年12月21日) a盛岡・岩手郡・紫波郡

東宝第一劇場で「照る日くもる日」「密輸船」公開!年に1度の50円興行!(昭和30年12月21日)

昭和30年12月21日の岩手日報の広告欄より。 東宝第一劇場では年に1度の50円興行の日で「照る日くもる日」と「密輸船」塗公開。 「照るひ曇る日」は大佛次郎原作で、最初はマキノ映画で大正15年に初公開されたものが、昭和15年、昭和29年とリメイクされて来たものである。前編は昭和29年12月8日、後編…
盛岡中劇では「怪奇黒猫組」「弥次喜多漫才道中 腰抜け一家の巻」!(昭和30年12月21日) a盛岡・岩手郡・紫波郡

盛岡中劇では「怪奇黒猫組」「弥次喜多漫才道中 腰抜け一家の巻」!(昭和30年12月21日)

昭和30年12月21日の岩手日報の広告欄より。 盛岡中劇では「怪奇黒猫組」と「弥次喜多漫才道中 腰抜け一家の巻」を封切りする。 いずれも配給は東宝であるが、なぜか直営館の東宝第一劇場ではなく中劇での封切り。 「怪奇黒猫組」は高垣眸の少年小説が原作になるもので初公開は昭和30年5月31日。 「弥次喜多…
盛岡映劇では東映「笛吹若武者」「花ごよみ八笑人」封切!(昭和30年12月21日) a盛岡・岩手郡・紫波郡

盛岡映劇では東映「笛吹若武者」「花ごよみ八笑人」封切!(昭和30年12月21日)

昭和30年12月21日の岩手日報より。 盛岡映劇で東映映画「笛吹若武者」と「花ごよみ八笑人」を封切り公開。 いずれも12月4日の初公開で、「笛吹若武者」は新人だった大川橋蔵と美空ひばりが主演。 また、「花ごよみ八笑人」は堺駿二や増田キートン等が出演。       &nb…
昭和の大合併で津軽石村を編入した宮古市「私有林の半額払下げなんて引き継いでません」(昭和30年12月20日) d宮古・下閉伊郡

昭和の大合併で津軽石村を編入した宮古市「私有林の半額払下げなんて引き継いでません」(昭和30年12月20日)

昭和30年12月20日の岩手日報より。 この年の4月1日、宮古市は周辺の花輪村・崎山村・重茂村と共に津軽石村を合併した。 「昭和の大合併」である。 この中で、津軽石村では村有林を営林署払下げ価格の半額で地元部落民に払下げるように村議会で議決していた。 これが昭和30年4月1日の合併で「市有林」となっ…
岩手県選出の社会党議員が中国の戦犯収容所を視察 a盛岡・岩手郡・紫波郡

岩手県選出の社会党議員が中国の戦犯収容所を視察

昭和30年11月29日の岩手日報より。 岩手県出身で日教組の副委員長まで務め、参議院議員となっている小笠原二三男氏は、1か月の日程で陽春・北京・哈爾浜・瀋陽・上海・長春・撫順と中共の教育事情を視察し、28日に急行「十和田」で盛岡に帰り、「中国の教育は素晴らしいの一言に尽きる!」とベタ褒めしていた。 …
盛岡駅前の最後の人力車夫 a盛岡・岩手郡・紫波郡

盛岡駅前の最後の人力車夫

昭和30年11月29日の岩手日報より。 「この道三十年」というシリーズ物の記事より。 戦前は盛岡駅前に50台以上の人力車が並んでいたという。 そして1日に1円稼げば御の字で、50~60銭稼げばその日の米代にも事欠かなかったという。 昭和9年に山田線が宮古まで開通する前は、テトテトとラッパを鳴らして走…
盛岡・中央ホールで「悪の決算」「彼奴は顔役だ!」を公開(昭和30年11月29日) a盛岡・岩手郡・紫波郡

盛岡・中央ホールで「悪の決算」「彼奴は顔役だ!」を公開(昭和30年11月29日)

昭和30年11月29日の岩手日報より。 盛岡の中央ホールでは「悪の決算」と「彼奴は顔役だ!」を公開する。 「悪の決算」(原題:LES HEROS SONT FATIGUES)はフランス映画で、アフリカのリベリアを舞台にしたアクションもの。日本での初公開は昭和30年9月16日。 「彼奴は顔役だ!」(原…
岩手の水産物が東京のデパートで好評(昭和30年11月29日) m県外・参考

岩手の水産物が東京のデパートで好評(昭和30年11月29日)

昭和30年11月29日の岩手日報より。 東京は上野松坂屋で、北海道・東北の海産物を集めた「北日本水産物大会」を行っていた。 岩手県からは以下のものを出品していた。 だし昆布(田老町) とろろ昆布(田老町) おたふくするめ(山田町) のしいか(宮古市) ホヤの塩辛(越喜来村) 焼ウニ(重茂村) 一塩ア…
大凶作の時の支援のお礼にと遠野から東京に鹿踊り(昭和30年11月29日) e釜石・遠野・上閉伊郡

大凶作の時の支援のお礼にと遠野から東京に鹿踊り(昭和30年11月29日)

昭和30年11月29日の岩手日報より。 昭和9年は伝説的な凶作であった。 秋になっても稲は青立ちのまま実らず、娘を売る農家が続出。 それで東京はじめ全国からの支援が集まったのである。 そして21年後の昭和30年、稲は史上まれにみる豊作となり、また県内有数の酪農地帯となり、あの凶作の時の恩に報いる時が…
小春日和にビルの屋上でBGが日向ぼっこ(昭和30年11月26日) a盛岡・岩手郡・紫波郡

小春日和にビルの屋上でBGが日向ぼっこ(昭和30年11月26日)

昭和30年11月26日の岩手日報より。 師走もあと5日という時に大陸から張り出した高気圧で連日の陽気で小春日和となり、盛岡市内のBGも屋上で日向ぼっこである。 ところで、岩手山と県公会堂が見えるこの場所はどこだろう? なんとなく現在の盛岡東警察署のあたりのようにも思えるが・・・   ちなみ…
盛岡・中劇で「追われる男」「泥棒成金」封切!(昭和30年11月23日) a盛岡・岩手郡・紫波郡

盛岡・中劇で「追われる男」「泥棒成金」封切!(昭和30年11月23日)

昭和30年11月23日の岩手日報より。 盛岡の中劇では「追われる男」「泥棒成金」を封切りする。 「追われる男」(原題:Run for Cover)は、昭和30年のアメリカ映画で、日本での初公開は昭和30年7月31日。 「泥棒成金」(原題:To Catch a Thief)もまた昭和30年のアメリカ映…
昼は農耕の手伝い、夜はランプで授業 a盛岡・岩手郡・紫波郡

昼は農耕の手伝い、夜はランプで授業

昭和30年11月26日の岩手日報より。 葛巻町の江刈中学校江刈川分校では本来17名の生徒がいるはずだった。 しかし、農作業の手伝いのために長欠している生徒がほとんどであった。 このため、教諭は生徒や部落民と話し合い、ランプで夜9時まで授業をすることに。   ちなみに、以下のページによれば、…
岩手県内に欠食児童は6,000人! l全県

岩手県内に欠食児童は6,000人!

昭和30年11月22日の岩手日報より。 日教組の岩手県支部である岩教組では、生活保障や給食対策などの基礎資料の為に、欠食児童の調査を進めていた。 そうしたところ、欠食児童は全体の2%に当たる6000名に上っていた。 地域としては下閉伊(宮古)、九戸(久慈)といった沿岸や県北に多かったという。 穀倉地…
盛岡中央ホールでは「四十人の女盗賊」「奥様は芳紀」、国劇では「黒い骰子」「愛欲と戦場」が封切(昭和30年11月22日) a盛岡・岩手郡・紫波郡

盛岡中央ホールでは「四十人の女盗賊」「奥様は芳紀」、国劇では「黒い骰子」「愛欲と戦場」が封切(昭和30年11月22日)

昭和30年11月22日の岩手日報の広告欄より。 中央ホールでは「四十人の女盗賊」「奥様は芳紀」、国民劇場では「黒い骰子」「愛欲と戦場」と、洋画が一挙4本封切という豪華な状態であった。 「四十人の女盗賊」(原題:Son of Sinbad)はRKOラジオピクチャーズという、往年のハリウッドでは5台映画…
小学校の放課後に先生方がストリップ映画の鑑賞会 h水沢・江刺・胆沢郡

小学校の放課後に先生方がストリップ映画の鑑賞会

昭和30年11月22日の岩手日報より。 江刺郡江刺町の岩谷堂小学校では、18日の放課後15時頃、児童が全員帰宅したのを見計らって、なんとストリップ映画の鑑賞会を始め、女性教諭が悲鳴を上げて逃げだしPTAや教育委員会までが調査に乗り出す騒ぎに発展したという。 これは、ふだん教育映画を納入している水沢市…
雪に子供たちが大喜び(昭和30年11月22日) a盛岡・岩手郡・紫波郡

雪に子供たちが大喜び(昭和30年11月22日)

昭和30年11月22日の岩手日報より。 20日から県内一帯に寒波が襲来し、21日朝の盛岡の最低気温は-4℃となった。 午後の2時頃には盛岡市内に雪が降り始めた。 盛岡測候所によれば、これは沿海州の冷たい低気圧によるものだということで、22日も1~2cmの積雪になろうという予想であった。 写真は盛岡市…
借金取り立ての「暴力会社」摘発 a盛岡・岩手郡・紫波郡

借金取り立ての「暴力会社」摘発

昭和30年11月22日の岩手日報より。 盛岡警察署は、盛岡市内で暴力的に債務取り立てを行っていた暴力会社を摘発した。 これは、中小企業が年末の不況で債権回収できないところに付け込んで取り立てを代行すると称し、債務者に暴力的に押しかけるというものであった。 そして「人に言ったらお礼参りしてやるからな!…
新米のシーズンは担ぎ屋のシーズン e釜石・遠野・上閉伊郡

新米のシーズンは担ぎ屋のシーズン

昭和30年11月20日の岩手日報より。 遠野地方の穀倉地帯では、新米のシーズンになると、釜石や大槌あたりから列車に乗って担ぎ屋が大挙して来るという。 農家としても、供米よりも現金化が早いので、1升95円程度の安値でも売るのだという。 さながら、釜石線の列車は「担ぎ屋列車」の様相を呈していたという。 …
川徳も松屋も「ゑびす講」で大売出し! a盛岡・岩手郡・紫波郡

川徳も松屋も「ゑびす講」で大売出し!

昭和30年11月30日の岩手日報の広告欄より。 当時の盛岡の2大デパートである川徳と松屋では、ともに「えびす講」で大売出しの広告を出している。   そもそも「えびす講」とは何か? それは、「神無月」と呼ばれる10月は、八百万の神は出雲大社に集まるといわれている。 (それで出雲地方では逆に「…
火災に無防備な老朽県庁 a盛岡・岩手郡・紫波郡

火災に無防備な老朽県庁

昭和30年11月18日の岩手日報より。 明治36年(1903年)に建てられた県庁 この当時の岩手県庁は、明治36年11月に完成し、築53年であった。 53年もやってればそれは書類だって増える。 つもりに積もった書類に、火災報知機も無く火災のリスクは非常に高い状態となっていた。 そこで、火災シーズンを…
山田線の捨て子(昭和30年11月17日) a盛岡・岩手郡・紫波郡

山田線の捨て子(昭和30年11月17日)

昭和30年11月17日。 宮古発盛岡行きの411列車が区界駅に到着しようとした時のこと。 車掌が検札していると、小さい女の子が泣いている。 どうやら迷子になったらしい。 親の名前を聞いても、それどころか自分の名前すら言えないらしい。 これはいったいどうしたものか・・・ 盛岡に到着し、とりあえず中央児…
改築中の中の橋の仮橋から眺める飛行機雲(昭和30年11月16日) a盛岡・岩手郡・紫波郡

改築中の中の橋の仮橋から眺める飛行機雲(昭和30年11月16日)

昭和30年11月16日の岩手日報より。 11月15日の盛岡市内は好天に恵まれ、午後には飛行機雲が見えたという。 岩手公園では紅葉も散り、落ち葉が冬の訪れを告げていたという。   ちなみにこの写真は中の橋の仮橋だったのだそうで、後ろに木々があるということは岩手公園で、手前は県立図書館だろうか…