盛岡の小学生が明治神宮参拝にいざいざ(S7.11.2岩手日報)
1932年11月2日
2026年1月1日
昭和7年、11月2日付の岩手日報。そこには、時代の空気を色濃く写し出した一枚の写真と記事が掲載されていました。「児童参拝団出発」と題されたその記事は、今から90年以上も前、盛岡の街から東京を目指した子どもたちの記録です。
記事によると、盛岡市内の小学校から選ばれた22名の児童たちが、明治神宮参拝のために上京することになりました。一行は11月1日の正午に市役所へと集合し、まずは地元の八幡宮と櫻山神社を参拝。その後、岩手日報社を訪れて出発の挨拶を済ませると、午後3時21分、周囲の期待を背負って盛岡駅から勇ましく旅立ちました。
写真の中の子どもたちは、皆一様に凛とした表情でカメラを見つめています。当時の詰め襟の制服に身を包み、背筋を伸ばして立つ姿からは、単なる旅行ではなく、郷土の代表としての大役を果たすのだという強い緊張感と誇りが伝わってきます。
昭和7年という時代は、日本が激動の渦中にあった頃です。現代のように新幹線でわずか2時間というわけにはいかず、夜汽車に揺られる長い道中だったはずですが、彼らの目にはまだ見ぬ大都会・東京の景色がどのように映っていたのでしょうか。
色あせた新聞の片隅に記されたこの小さなニュースは、かつての岩手の日常と、そこを懸命に生きた子どもたちの足跡を今に伝えています。こうした古い記録を紐解くことは、今の私たちの暮らしに繋がる時間の重みを感じさせてくれる、大切な機会のように思えます。