飲酒運転に罪悪感ゼロの4コマ漫画
1936年11月8日
2021年10月31日
昭和11年11月8日の読売新聞の広告欄より。
岩手とは関係のない話題ではあるが、「これは?」と思ったのであえて掲載することに。
全国版に京都の蔵元「キンシ正宗」が広告に出している4コマ漫画。
- キンシ正宗を持った紳士がタクシーを呼ぶ。
- 「僕の家まで50銭で行かんか」「だめです」
- 「キンシ正宗を飲んでから値段を決めよう」
- 「お宅まで20銭で行きます!」
ちょっと待って。タクシーの運転手に酔っ払い運転をさせたということ!?
昭和11年っていったいどういう時代だったの?
ちなみに「キンシ正宗」は令和になった今なお盛業中である。
また、この当時「50銭」がタクシーの運賃としてどのくらいの相場であったかというと、まさに「円タク」の時代である。
大正13年に大阪市内で登場し、その2年後には東京にも登場した。
しかし、戦争に入り「ガソリンの一滴は血の一滴」となるにしたがい、以下のようになったようである。
満州事変から第一次上海事変へと日中関係が混迷を深める中、石油会社が値上げを発表するなど、東京市内のタクシーは混乱を深めていき、1938年(昭和13年)には車両、部品、燃料など物資統制の重圧から、警視庁は全てのタクシー営業を法人格を持つ者に限ること(最低基準車両50両)とし、175社へ集約統合を行った。その後、メーター制も復活し、初乗り2キロ30銭、1キロごとに10銭という値段になった。
戦時体制が整うにつれ、1937年(昭和12年)には、石油資源の確保のため、タクシーの流し営業が禁じられ、戦後まで代替燃料として、木炭、亜炭等が使われるようになった。
まだのどかだった時代の最後の頃ということになるだろう。
当たり前ですが飲酒運転はいけません。