岩手県公会堂で県下農民大会(S23.12.11岩手夕刊新聞)
1948年11月23日
2026年2月10日
昭和23年12月11日の岩手夕刊は、戦後の農地改革によって自らの土地を手にした農民たちの歓喜と、新しい時代の責任を静かに伝えています。この記事が発行された当時の日本は、まさに「農民解放」という歴史的な転換点にありました。

同年11月23日、東京では工業倶楽部で農民解放記念祭が開催され、農地改革の功労者が表彰されていました。茨城県名崎村では530町歩もの農地が530人の小作人に解放されたことを祝い、祝杯の花火が打ち上げられ、農民たちが総出で農地売渡証を受け取るなど、全国的な盛り上がりを見せていました。
東北地方は農作物の供出などの農繁期と重なっていたため、岩手県下での記念祭は12月初めから一斉に始まりました。岩手夕刊の紙面からは、単なるお祭り騒ぎに留まらない、農業協同組合を健全に運営し自立していこうとする農民たちの強い意志が読み取れます。
具体的な歩みを振り返ると、12月2日から4日までは経営や経理に関する講習会が開かれ、農家が自立した経営者として歩むための実務を学びました。12月9日には水沢町公民館で県農協青年婦人協議会が開催され、次代を担う若者や女性たちが集いました。また、12月14日から16日には盛岡の川徳デパート前で農産加工展示会・即売会が行われ、生産から加工、販売までを自分たちの手で行う喜びが形となりました。
そして12月15日、岩手県公会堂において県下農民大会と農民芸能祭が開催され、記念祭は最高潮に達しました。この12月は、厳しい冬の寒さの中で岩手の農民たちがようやく自らの土地を耕す権利を手にし、新しい日本の土台を築き始めた激動の半月間だったと言えます。
