釜石駅前で防犯展示会(S37.10.4岩手東海新聞)

昭和37年10月、釜石駅前では「防犯展示会」が開かれていた。
当時の新聞によると、会場には警察署や防犯協会などが協力して作成したパネルが並び、通行人が足を止めて見入っていたという。

Screenshot

昭和20年代の防犯展示といえば、実際の事件現場写真などが並び、かなり刺激の強い内容だったそうだ。
しかし、この時代になると展示の趣旨は「交通事故防止」や「地域ぐるみの防犯運動」へと変化していく。
戦後の混乱期を抜け、社会全体が落ち着きを取り戻すにつれて、「犯罪の恐怖を煽る」から「安全を呼びかける」へと、防犯の姿勢が移り変わっていったことが感じられる。

写真には、展示パネルをじっと見つめる少女の姿。
もはや見世物的な要素はなく、どこか教育的で穏やかな雰囲気が漂っている。
それは、昭和30年代という時代が持っていた「明るい防犯」の象徴でもあったのかもしれない。


showa
  • showa

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です