釜石・錦館で「学生芸者 恋と喧嘩」「硝子のジョニー 野獣のように見えて」「激しい河」を公開(昭和37年10月17日)

昭和37年10月17日の岩手東海新聞には、当時の釜石・錦館で上映されていた豪華な映画興行の様子が克明に刻まれています。

まず広告の中央でひときわ目を引くのは、日活の至宝と謳われた芦川いづみが主演を務める「硝子のジョニー 野獣のように見えて」です。本作は、過酷な境遇に置かれながらも純真さを失わないヒロインを芦川いづみが体当たりで演じ、彼女を連れ歩くジョニー役の宍戸錠とともに、孤独な男女の旅路を鮮烈に描き出した人間ドラマの傑作です。

広告の右上を飾る「学生芸者・恋と喧嘩」は、松竹の若き看板女優であった岩下志麻が主演する華やかな一作です。若々しい気品に満ちた岩下志麻の魅力に加え、喜劇界の巨匠である伴淳三郎が脇を固めており、恋と笑いと人情が交錯する松竹映画らしい娯楽性の高い物語が当時の観客に広く親しまれました。

そして画面右下には、期待の新星として注目を集めていた高橋英樹主演の「激しい河」が控えています。石坂洋次郎の原作をもとに、高橋英樹や和泉雅子といったフレッシュな顔ぶれが、怒濤のように押し寄せる青春の葛藤や情熱を瑞々しく表現しており、当時の若い世代を中心に強い共感を呼び起こしました。

これら系統の異なる三つの作品が、総天然色の輝きとともに釜石の地で同時に上映されていた事実は、当時の映画文化がいかに豊かであったかを象徴しています。製鉄の街として栄えた往時の釜石において、錦館に並んだこれらの映画看板は、人々に明日への活力を与える夢の象徴だったに違いありません。


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