運輸省が花巻空港拡張を認可(S50.12.23)

昭和五十年十二月二十三日、運輸省が花巻空港の拡張計画を正式に認可した。空港の拡張構想が持ち上がってからすでに六年が経過しており、その間、花巻市と岩手県が推進する一方で、周辺農民を中心とする反対運動が続いていた。現地では座り込みやデモが繰り返され、十月には反対派が県庁を包囲する事態にも発展した。運輸省は慎重に態度を保っていたが、東北地方の航空網整備と地元の強い要望を理由に、最終的に計画を認めた。

この認可に対して、反対派は「住民の意見を無視した強行だ」として反発を強め、引き続き抗議を続ける姿勢を見せた。一方、経済界や自治体の関係者は「ようやく前進した」と歓迎の意を示した。しかし、長年の対立の中で地元社会の分断は深まり、問題の根本的な解決にはなお時間がかかると見られている。記事は、六年にわたる膠着の末に下されたこの決定を、単なる空港拡張ではなく、地域開発と住民生活の対立を象徴する出来事として伝えている。


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