鈴木善幸首相がお国入り(S57.9.4)

昭和57年9月4日、首相在任中の鈴木善幸氏が東北新幹線初乗車を兼ねて盛大に地元入りし、県民の熱烈な歓迎を受けたが、その約1か月後の10月22日には自民党総裁選への不出馬と政権からの退陣を表明した。この決断は党内の派閥対立を自ら身を引くことで和らげようとする「和」の政治姿勢によるもので、本人はなおも主流派の優位にあったにもかかわらず、政局の混乱回避を選んだ。また、鈴木氏は行財政改革、とりわけ「昭和38年度までの赤字国債脱却」を掲げ、「政治生命をかける」と明言して臨調答申を尊重するなど真剣に取り組んだが、防衛費削減などで思うように進まず、政策行き詰まりも退陣の一因となった。お国入りでは夫人とともに盛岡や山田町を訪れ、地元民との交流に感激したが、その裏では退陣の意志を固めていたとされ、総裁選出馬見送り発言も報道陣に対し冗談と受け取られていたという。

 


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