東北農政局岩手統計情報事務所が米の作況指数を107と発表(S61.10.28)

本県の6年産稲作は、3年連続の豊作となりました。残暑が好影響し、水稲の収穫量は約43万8千6百石に達しましたが、減反策が戻ったため、前年より収穫量はやや減少しました。7月までの冷害型の天候や8月初めの大雨による冠水被害がありましたが、その後は好天に恵まれ、沿岸部や北部を除く地域では生育が回復しました。9月の作況指数は県全体で102と「やや良」と評価されましたが、地域間での差が見られ、北部では作況指数が96と「やや不良」でした。

10月には、北上川流域を中心とした地域で作況指数がさらに上昇し、県平均で107の「良」評価を得ました。これにより、3年連続の豊作となりましたが、北部では引き続き不良が続きました。稲作農家は、米価や市場開放問題、米の過剰生産などの課題に直面し、複雑な心境でした。

政府は、米の過剰供給と食管会計の赤字回避のため、大幅な減反策を打ち出し、転作を促進しました。さらに、米国からの市場開放要求もあり、国内農業政策に対する批判が高まる中で、農業団体は米価の据え置きを主張しましたが、政府内部では引き下げを支持する声もありました。この年の農業政策は、国内外の圧力に対応しつつ、水田農業の新たな方向性を模索する年となりました。


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