円高で県内企業倒産続出(S62.4.30)
1987年4月30日
2025年1月4日
昭和60年のG5会議でのドル高是正への協調介入を契機に円高が進行し、日本国内で輸出関連企業を中心に倒産や合理化が相次ぎ、雇用不安が深刻化しました。岩手県でも以下の事例が報告されています。
・新日鉄釜石:第1高炉の休止を含む大規模合理化を実施し、余剰人員約1,100人が発生。
・岩手アイワ:オーディオ不況と円高の影響で860人の従業員のうち300人が希望退職。
・盛岡セイコー工業:生産縮小に伴い、パート従業員を半減。
・岩手缶詰釜石工場:円高や原料不足の影響で休業し、従業員38人を解雇。
・新興製作所:業績悪化と金融機関支援打ち切りにより倒産し、1,256人中637人が希望退職。
・花輪鉱山:資源枯渇と円高で閉山、113人中再就職先が決まったのは13人。
県内企業の円高被害調査では、精密機器や電気機器業界を中心に400社が影響を受けていると回答。多くの企業で人員削減や操業短縮が実施され、倒産事例も増加しています。
雇用不安解消のため、釜石や宮古などの地域が雇用促進地域に指定され、失業保険や雇用開発助成が進められていますが、有効求人倍率の低下など雇用環境の改善は依然として厳しい状況が続いています。