稲の作況指数は85で著しい凶作(S63.10.28)
1988年10月28日
2025年2月15日
昭和63年、本県は6年ぶりの水稲不作となり、作況指数は85の「著しい不良」となった。7月中旬以降の異常低温と日照不足が影響し、稲の生育が大きく阻害された。特に、7月下旬の低温が稲の花の形成期を直撃し、受粉不能による不稔が多発。さらに、8月中旬以降の気温上昇と降雨により、病害も発生した。結果として、県全体の収穫量は前年比21%減、品質も低下し、一等米比率は46%にとどまった。
農作物全体の被害総額は約313億円で、そのうち水稲の被害は約256億円に上った。これを受け、天災融資法と甚災害法が発動され、9月16日に県農作物異常気象災害対策本部が設置された。政府関係者による災害視察も相次ぎ、救済措置が講じられた。
対策として、農業共済金の早期支払いや損害評価の特例措置が実施され、共済金総額は114億円以上に達した。また、未熟米の特例規格設定、就労機会確保、災害関係資金の融資、次期作付け用種子の確保などが行われた。
この年の農業は、冷害に加え、生産者米価の2年連続引き下げ、平成3年からの牛肉完全自由化決定など、厳しい状況に直面した。