「岩手県交通」発足するも前途多難(S51.6.1)

昭和51年6月1日、岩手県内のバス会社である岩手中央バス、県南バス、花巻バスの3社が合併し、新会社「岩手県交通株式会社」が発足した。この合併は、マイカー普及や過疎化による経営悪化を受け、路線の合理化や安定経営を目指したものだった。新会社の資本金は約1億6,488万円で、従業員は2,704人、バス台数は約792台を運行し、東北地方で宮城交通に次ぐ規模となった。

しかし、合併までには困難が続き、特に経営不振が顕著だった岩手中央バスが経営破綻し、他社に援助を求めたものの支援は得られず、国際興業の支援を受けた経緯があった。その後、県南バスや花巻バスも経営悪化が進み、最終的に3社の合併による再建が選択された。負債を持ち込まず、各社の資産を持ち寄る形で新会社設立が進められたが、労使間の交渉が難航し、発足は当初予定より1か月遅れることとなった。

新会社は合理化や多角経営などの課題に取り組む一方、バス労連は公的資本による一元化を目指し、自治体の経営参加を呼びかけているが、実現には課題が多い状況である。


showa
  • showa

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です