江釣子村「パル」進出に地元商店街が反発(S57.3.16)

昭和57年3月16日、東京地裁は、岩手県北上市の小売業者117人が通産大臣を相手に起こした「大型店の店舗面積変更勧告の取消訴訟」において原告敗訴の判決を下した。これは全国初の大型店訴訟として注目されたが、裁判所は「勧告は行政処分ではなく、個別商店に法的保護もない」として訴えを門前払いした。この訴訟は、和賀郡江釣子村に出店予定のジャスコと地元テナントによる「パル」計画に端を発し、店舗面積をめぐる審議結果を受けた通産大臣の変更勧告に地元商店が反発して提訴したものである。

同時に、通産省は昭和57年2月から特定大手企業(ダイエー、西友、ジャスコなど)への出店抑制策を強化し、特に小規模市町村への進出には慎重姿勢を取る方針を打ち出した。また、商調協の権威付けや人選の厳格化、関係機関による四者協議体制の確立など調整機能強化策も提言された。

岩手県内では、盛岡市、北上市、水沢市、一関市で大型店出店計画が進行中で、地元商店街との協調や誘致姿勢の違いにより対応が分かれている。盛岡駅前の西武クレジット計画などは商店街主導であり扱いが微妙だが、花巻市のように構想段階の案件は今後制約を受ける可能性がある。大型店進出に対抗するため、地元商店街では近代化への大改造が急務となっている。

 


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