秋田県南東部地震で岩手県内でも被害(S45.10.16)

昭和45年10月16日午後2時20分ごろ、秋田県南東部を震源とする地震が発生し、東北・関東・北海道・中部地方にかけて揺れが観測された。震源は秋田県雄勝郡東成瀬村付近の地下20kmで、岩手県石鳥谷町で震度5(強震)を記録。最も被害が大きかったのは和賀郡湯田町で、湯川小学校の理科室から出火し校舎を全焼、住宅も9戸が全壊するなど広範な被害が出た。

湯田町では他にも校舎の壁やモルタルが崩れ、水道や電線が破損し3千戸が停電、電話144回線が不通、400戸が断水となった。鉄道では北上線の鉄橋沈下やレールの宙づり状態などで不通となり、東北本線など7路線、計51本の列車が運休。道路は23か所で土砂崩れなどが発生した。

東京大学などの調査団は、これは地下構造の変動による構造性地震であり、同年9月から噴火中の駒ヶ岳とは無関係と結論づけたが、明治29年の陸羽地震との関連性があるとされた。

被害総額は約2億6千万円。最も大きかったのは道路・土木施設で1億5千万円超、次いで学校、住宅、農林業、水道などが続いた。市町村別では胆沢町が1億3千万円、湯田町が1億1千万円超の被害を受けた。震度は岩手県内各地で4〜1、東京や北海道でも微震が記録された。


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