西磐井郡萩荘村で29歳の男が復縁目当てに放火(S6.9.13岩手日報)
1931年9月13日
2025年8月13日
昭和6年9月13日の岩手日報によれば、西磐井郡萩荘村(現在の一関市)で、ある村議の次男(29歳)が、なんとも浅はかな理由から放火事件を起こしました。
記事の大見出しは「世にも浅はか 男のお七 家事手伝いの功を狙って離縁の妻方に放火」。
ここでいう「お七」とは、井原西鶴『好色五人女』にも登場する、恋人に会いたい一心で放火したことで知られる「八百屋お七」のこと。事件の主は、この“現代版お七”よろしく、離婚した妻と復縁するために、妻の実家に火をつけたというのです。
しかも狙いは「火事手伝いで駆けつけ、功を立てて妻の気を引く」というもの。計画そのものがすでに無謀ですが、当然のことながら、火事は未然に発覚し、犯人はあっさり逮捕。
恋は盲目と言いますが、これはあまりにも危険で短絡的な“愛のアプローチ”でした。