陸軍特別大演習に向けて(S3.10.1岩手日報)
1928年10月1日
2026年3月8日
Contents
【タイムトラベル】昭和3年10月1日、岩手が「国家の舞台」になった日
~岩手日報の紙面から読み解く、陸軍特別大演習の熱狂~

手元にある一枚の古新聞。昭和3年(1928年)10月1発行の「岩手日報」です。ページをめくると、現代の静かな岩手からは想像もつかないほどの「熱気」と「緊張感」が紙面から溢れ出してきます。
この時、岩手はまさに国家的な一大イベント、「陸軍特別大演習」の渦中にありました。
1. 閑院宮殿下の御来盛と街の熱狂
紙面中央に大きく掲載されているのは、閑院宮載仁親王殿下が盛岡に到着された際のお姿です。見出しには「御来盛」「御帰着」といった最上級の敬語が並び、当時の皇室に対する畏敬の念が伝わります。
- 厳戒態勢の盛岡: 観兵式の順序や、部隊の配置図が詳細に記されており、街全体が巨大な軍事拠点と化していたことがわかります。
- 献上品: 「高農の献上」として、地元の農産物を陛下に差し上げる様子も報じられており、岩手の誇りをかけた「おもてなし」の必死さが伺えます。
2. 歴史的瞬間:日本初の「陪審法」施行
演習のニュースに隠れがちですが、実はこの10月1日は日本の司法史においても極めて重要な日でした。紙面右側には「けふから陪審法実施」の大きな文字が躍っています。
「立憲国民の責任を喚起せよ」
国民が裁判に参加する陪審制度のスタート。軍事一色の紙面の中に、近代国家としての新たな歩みが見える興味深い対比です。
3. 広告から見える「当時の日常」
大きなニュースの隙間を埋める広告や短信も、歴史の証言者です。ライオン歯磨の広告や、当時の鉄道時刻表の変更など、特別なイベント(演習)のために街のインフラが総動員されていた様子が手に取るようにわかります。
