陸軍特別大演習の地図を予約販売します!(昭和3年9月4日)

昭和3年9月4日の岩手日報より。

盛岡市呉服町の書店「文明堂書店」では、同年10月に予定されている「岩手縣下特別大演習」のための地図が特約販売されると広告が出ている。

これは陸地測量部が編纂した演習地図で、陸軍の特別大演習にあわせて発行されるものであった。広告によれば、販売されるのは以下の2種:

  • 五万分一地図(2枚組):金四十五銭
  • 十万分一地図(1枚):金二十銭

この特別大演習は、東北地方を舞台に大規模な陸軍演習が行われる一大行事であり、見学や報道を目的とする一般市民の関心も高かった。そのため、詳細な地図の需要が見込まれたのだろう。

文明堂書店では郵便為替を用いた通信販売にも対応しており、演習地への観戦や関係者の移動に備えて、早めの申込を呼びかけていた。

なお、当時の呉服町(現在の肴町周辺)は盛岡市中心部に位置し、旧第九十銀行本店や盛岡郵便局なども立地していた金融・情報の集積地であった。このような地で、軍事関連の出版物が扱われていたことは、当時の社会的関心を反映している。

 


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