在仙県人有志からも年始の挨拶(S6.1.1岩手日報)

昭和6年の元日、岩手日報紙面には、仙台で活躍する岩手県出身者や県ゆかりの企業からの新年広告がずらりと並んだ。

「謹賀新年」の大きな題字とともに、「在仙縣人有志不動町」と記された枠には、仙台市で事業や商売を営む岩手出身の人々が名を連ねている。

また、広告を出している企業の多くは、所在地に「仙臺」「青葉通」「一番町」「東三番町」などと記載しており、現在の仙台中心部で事業を営んでいたことがうかがえる。

さらに目を引くのが、仙台市内にあった東北の拠点的企業――たとえば、

– 七十七銀行
– 東北実業貯蓄銀行
– 東北拓殖銀行
– 東北自動車商会
– 仙台生命保険協会(保険業)

なども年始の挨拶を寄せており、東北経済圏における岩手とのつながりが感じられる。

広告のレイアウトは縦書きで、それぞれの枠内に「正賀」「謹賀新年」などの挨拶文が入っており、「正月らしい」新聞紙面を構成している。

岩手を離れて仙台で活動する人々が、こうして郷土紙に名を連ねることにより、故郷との絆を新年に改めて示すという習慣は、ある意味で「都市と地方」「在郷と在外」のつながりを可視化する文化でもあった。

 

 

 


showa
  • showa

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です