中華民国の大水害に岩手県下でも義援金(S6.9.11岩手日報)

昭和6年9月11日の岩手日報には、当時の中華民国で発生した未曾有の大水害に対し、岩手県内でも義援金募集が始まったことが報じられています。

1931年中国大洪水は、黄河・長江・淮河流域を襲った一連の洪水で、記録上最悪級の自然災害とされます。前年までの旱魃に続く豪雨と雪解け、さらに活発だった台風活動が重なり、1931年7〜8月には長江沿いで月間600mmを超える降水量が観測されました。南京や武漢をはじめ、湖北・湖南・江西各省など広範囲で被害が発生し、死者数は14万5000人という控えめな推計から、最大で400万人に上るという説まであります。水死だけでなく、コレラやチフスなど水媒介性感染症も被害を拡大させました。

この惨状を受け、岩手県社会課は1口1円以上、期限を9月25日とする義援金募集を開始。県庁のみならず、愛国婦人会岩手県支部も協力し、県民に広く支援を呼びかけました。
遠く離れた中国の大災害に対しても、昭和初期の岩手県民は国境を越えて助け合おうとする姿勢を示していたのです。

 


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