この日から現代仮名遣い(S21.11.21新岩手日報)

昭和21年11月21日、「けふ」が「きょう」になった日。


歴史の転換点は、意外なほど身近なところに現れます。

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手元にある昭和21年11月21日付の『新岩手日報』。この1ページには、日本語の歴史における巨大な一歩が刻まれています。

■ コラムの題字に起きた「大事件」

この日の紙面で最も注目すべきは、新聞の看板ともいえるコラムのタイトルです。

前日まで「けふの言葉」と表記されていたものが、この日から「きょうの言葉」へと改められています。

これはまさに、政府から「現代かなづかい」「当用漢字表」が内閣告示された当日だからこその変化。長年親しまれてきた歴史的仮名遣いに代わり、私たちが今使っている「現代かなづかい」が産声を上げた瞬間です。

■ なぜ「きょう」への変更が重要だったのか

終戦直後の日本において、複雑な仮名遣いを整理し、国民の誰もが読み書きしやすい言葉へと整えることは、戦後民主化の大きな柱の一つでした。

  • 旧: けふ(歴史的仮名遣い)
  • 新: きょう(現代かなづかい)

新聞という、最も身近なメディアがこの日から一斉に表記を変えたことで、当時の人々も「新しい時代が始まったのだ」と肌で感じたに違いありません。

■ 激動の時代を映す紙面

言葉が新しくなった一方で、紙面には戦後の厳しい現実も色濃く反映されています。

  • 臨時給与と争議: インフレと生活苦による労働争議が各地で起きていた様子が伺えます。
  • 資材統制: 石炭や鉄など、復興に欠かせない物資の管理に関する記事。
  • 食糧難: 米の収穫量「六千万石」を巡る推計など、生きることに必死だった時代の空気。

■ 結び:色褪せない歴史の目撃者

「けふ」が「きょう」に変わった日。
それは単なる表記の変更ではなく、戦後という新しい夜明けを象徴する出来事でした。

何十年も前の古新聞が、今の私たちが当たり前に使っている言葉の「誕生日」を教えてくれる。歴史の重みを感じずにはいられません。


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