一関・新星劇場で「G.Iジョー」を公開(S29.1.11岩手日日)

昭和29年1月11日の岩手日日新聞をめくると、当時の一関の活気を伝える1枚の映画広告が目に飛び込んできます。紙面の中央で力強い文字を躍らせているのは、名匠ウィリアム・A・ウェルマン監督による戦争映画の傑作、G・I・ジョーです。主演には当時売り出し中だったロバート・ミッチャムの名が記されており、最高の感激という威勢のいい言葉とともに、全米の読者や将兵に愛された従軍記者アーニー・パイルの映画化であることが強調されています。

この広告を出しているのは新星映画劇場です。同館は昭和24年に開館し、以来一関の娯楽の殿堂として多くの市民に親しまれてきました。驚くべきことに、この映画館は現在でも一関シネプラザとして同じ場所で営業を続けています。70年以上の歳月を超えて今なお現役で映画を届け続けている事実は、地域の文化史においても非常に希有で、価値のあることだと言えるでしょう。

当時のプログラムは非常に豪華で、メインの作品以外にも多彩な映画が同時上映されていました。乙羽信子や藤田進が出演する日本映画の雪崩、そしてアメリカの喜劇コンビによる凸凹大演芸会など、戦争映画から恋愛もの、コメディまでが一度に楽しめる構成になっています。

昭和29年といえば、日本中が力道山の活躍に沸き、映画界では初代ゴジラが産声を上げた年です。厳しい寒さに見舞われる1月、一関の人々はこの広告を眺めながら映画館の暗闇に広がる異国の物語や華やかな銀幕の世界に胸をときめかせたのでしょう。一関シネプラザの歴史に思いを馳せながらこの広告を読み解くと、当時の人々の息遣いがより身近に感じられるようです。


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