県立南光病院事件が解決(S47.3.27)

昭和47年、一関市の県立南光病院をめぐって起きていた二つの事件――①労組による院長監禁事件の刑事裁判、②患者死亡を巡る遺族の損害賠償請求――が、いずれも解決した。

まず①では、臨時女子職員の「本採用拒否」や、新薬KBの無認可投与による“人体実験”の疑いを巡り、労組が院長に団体交渉を求めて院長室にとどまった行為が「不退去・監禁」として起訴された。しかし裁判所は、病院側に説明義務・団交応諾義務があったと認め、労組側の行為は正当な団体交渉であるとして全員無罪を言い渡した。検察も控訴せず、無罪が確定した。

この判決を機に、病院側と労組の長い対立も和解へ進み、病院当局は職員への謝罪、関係者の処分検討、不利益扱いの是正、解雇者の復帰協議など労組側の要求をほぼ受け入れた。

もう一つの②患者死亡事件では、入院中の16歳女性が投与された薬(ヒアシン)によって死亡したとして遺族が県を訴えていた。院長は「人体実験」を否定し対立が続いたが、前述の労組裁判で労組側勝利が確定した後、県側は形勢不利と判断して和解に応じた。県は遺族に300万円を支払い、院長は「投与に遺憾の点があった」と謝罪文を出した。ただし謝罪文では人体実験の明言は避けられた。

結果として、二つの事件は全国的な注目を集めながらも、人体実験の有無について明確な白黒はつかないまま終結した。しかし医療側が初めてミスを認め、賠償と謝罪が行われた点で、患者側の権利や医療倫理を考えるうえで大きな前進となった。


showa
  • showa

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です