県政発展計画の改定(S47.3.29)

昭和47年3月29日、県は「県勢発展計画」の改定を総合開発審議会に諮問した。これは、昭和38年度を目標に策定された従来の計画が、経済や社会情勢の変化に対応しきれなくなったためである。東北縦貫自動車道や東北新幹線の建設対応、国際競争力を持つ中小企業や農業の育成、生活環境保全や県民福祉の充実などが新たな課題として浮上していた。

県内経済は成長を遂げているものの、全国の経済成長に追いつけず、農業所得の低迷による県民所得の格差が縮小できていないことも改定の理由となった。審議会では、小委員会を設置し、1年以内に答申をまとめることを目標とした。

改定計画では、計画期間を従来の8ヵ年から国の経済社会計画に合わせた5ヵ年とし、経済指標に加えて水道普及率や教育施設整備率、一人当たりの住居数といった生活水準の指標を新たに設定する方針とした。計画の基本方向は、住民意欲の高揚、豊かな福祉社会の建設、高速化時代の産業育成を重視し、特に大規模開発プロジェクトの推進を戦略として打ち出した。

大規模開発プロジェクトは、従来の九つの枠組みを維持しながらも、「奥羽山系の総合開発」と「県内資源の高度加工と流通体制の確立」を新たに追加し、北上山系の開発を一本化した。一方で、「盛岡地方開発総市の形成」プロジェクトは削除された。その他、自然保護と開発の調和を図る総合的土地利用計画の策定、都市と農漁村の一体開発、大規模工業団地や観光レクリエーション基地の形成なども計画に盛り込まれた。


コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です