アジア大会で県人2選手が金メダル(S61.9.30)

昭和61年9月20日から10月5日にかけて韓国・ソウルで開かれた第10回アジア競技大会に、岩手県からは過去最多となる13人が8競技に出場し、国際舞台で交流を深めた。この大会で、陸上男子1500メートルの大志田秀次と、レスリング・グレコローマン66キロ級の長内清一の2選手が金メダルを獲得し、県勢として輝かしい成果を挙げた。

大志田は、盛岡工高から中大を経て本田技研埼玉に所属。代表選考を兼ねた日本選手権では2位となり、あまり注目されぬまま代表に選ばれた。現地入り後は体調不良と緊張に悩まされたが、予選では堂々のトップ通過。決勝では終始冷静にレースを運び、最後の100メートルで韓国選手を抜き去って先頭に立ち、両手を掲げてゴール。初の国際大会で金メダルを手にした。中学時代から県記録を次々と塗り替えた存在だったが、大学時代は故障に苦しみ、裏方に回る時期もあった。それを乗り越えた努力が実を結んだ快挙だった。

一方、長内清一は九戸郡大野村出身。八戸の光星学院から日体大へ進み、国内ではこの階級の第一人者として知られていた。グレコローマン66キロ級の決勝では、地元・韓国選手の安大鉉を相手に観衆の大歓声が渦巻く中、落ち着いた試合運びで確実にポイントを重ね、韓国勢の猛攻をしのいで勝利。32歳という日本代表最年長での金メダルは、長年の経験と粘り強さの賜物だった。昭和61年当時、すでに五輪出場経験もあり、ボイコットによる“幻の代表”など不運も味わってきたが、それを乗り越えての栄誉となった。

この2人の活躍により、県勢のアジア大会金メダルは通算8人10個となり、岩手のスポーツ史に新たな1ページが刻まれた。

 


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