東北自動車道八戸線の一戸〜八戸間が開通(S61.11.27)

東北自動車道八戸線の一戸〜八戸間(41.3km)が昭和61年11月27日に開通し、所要時間が約1時間短縮され30分となった。これにより、県北地方も高速交通時代を迎え、農産物の供給や観光開発などの地域振興が期待されている。

この区間は、昭和55年に着工し、総事業費約1,100億円をかけて整備された。全線4車線で、速度規制は80km/h。途中に九戸、軽米、南郷の3インターが設けられ、サービスエリア(折爪)とパーキングエリア(福地)も整備された。険しい地形を克服するため、トンネルや橋が多く、特に折爪トンネル(2.3km)は県内最長となる。

当初は10月中旬の開通予定だったが、8月に一戸町滝野地区で地滑りが発生し、約200m区間の復旧工事が必要となった。日本道路公団は地盤の安定対策としてH鋼やコンクリート杭を打ち込み、全国初の試みとなる鋼管を利用した軽量化工法を採用し、10月下旬に修復工事が完了した。

また、高速道路の部分開通に合わせて、県北横断道(久慈市〜九戸村間40.3km)も開通し、沿岸部への波及効果が期待されている。観光面では、十和田湖と三陸海岸を結ぶ観光開発や、スキー場の整備が進行中。農業では、レタスの作付拡大や畜産の強化が図られ、高速道路を活用した農畜産物の輸送が進む見込みである。

今後、八戸線の未開通区間(安代〜一戸間26.7km)は1986年に着工し、1990年の開通を目指す。これにより、青森・八戸から盛岡を経由して首都圏へと直結する高速交通網が完成し、地域経済のさらなる活性化が期待されている。


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