星チェーンストア岩手・青森県連合大会を開催します(S5.3.1岩手日報)
1930年3月1日
2025年8月2日
昭和5年3月1日の岩手日報には、ある注目すべき告知が広告欄に掲載されていた。
それは、「岩手・青森県連合星チェーンストア大会」の開催告知である。会場は盛岡市の県公会堂、日程は昭和5年(1930年)3月5日 午前10時とされている。
この「星チェーンストア」とは、あの星製薬が展開した、日本で最初期の本格的チェーンストア事業であり、その中心人物は創業者星一(ほし はじめ)である。星一は、のちに日本SF文学の草分けとなる星新一の実父としても知られる。
当時の広告によれば、前年末に京橋星チェーンストアが開店し、これを範として全国展開が本格化。その活動の合理化と分科支部制への移行が進められており、岩手・青森の各加盟店主たちを対象に、緊急かつ重要な会議として本大会が開催されるという。
広告では、星製薬代表として田村眞太郎の名があり、彼が大会事務所の責任者となっていた。
日本の流通史において、星製薬のチェーンストア構想は、ドラッグストアや大手薬局チェーンの原点のひとつともいえる。今から95年前、岩手・青森でもその一翼が担われようとしていたのである。