東北・北海道の米咲は全く絶望で昭和6年以上の凶作予想(昭和9年9月10日)

昭和9年9月10日の岩手日報より。

昭和9年は、東北や北陸の水害、九州の干ばつ、それに関東・北陸・東北一帯の長雨という常軌を逸した天候で、全国的に水稲も作柄は悪いことがほぼ決定してしまった。

8月になって天候は回復したが、これも焼け石に水であり、場所によっては害虫や稲熱病等が発生し、農林省の調査によれば水稲の状況は全国的に「稍不良」と発表されてしまった。

単位は千石

台風の特異日である210日は平穏に過ぎたとは言え、その前後から気温は急激に低下し、東北や北海道では最も恐るべき早冷を招き、出穂を控えて、東北や北海道の水稲は萎縮するものが多く、大凶作を逃れず、例年に比べ3割の減少ではないかと予想された。

また、九州の干ばつは致命的でありこれまた3割減少は確実と見られた。

新潟や富山といった全国有数の米作地を含む北陸地方でもまた水害にやられてしまい、昭和6年以上の凶作と見られるに至った。

この様子では、この年は5500万石程度と予想されていた。

 


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