北日本観光物産展第1日目の盛況(S11.5.6岩手日報)

【郷土史の断片】昭和11年、盛岡を熱狂させた「北日本銘産観光展」

投稿日:2024年11月13日(史料:昭和11年5月6日付 岩手日報)

先日、昭和11年(1936年)5月6日の岩手日報の紙面を手にする機会がありました。そこには、当時の盛岡市民がいかに新しい催しを待ち望み、活気に溢れていたかを物語る興味深い記事が掲載されていました。

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記事の主役は、岩手日報社が主催した「北日本銘産観光展」。会場となったのは、盛岡の商業の象徴である「川徳」です。


■ 初日で売り切れ続出!空前の大盛況

見出しには「第一日目に既に売切れ品続々」と躍っています。あまりの売れ行きに、主催者は各地へ補充を求める電報(打電)を次々に送るほどだったとか。今でいう「バズり状態」が、戦前の盛岡でも起きていたのです。

「居ながら各地旅行する気分」

東北各県の銘産品が一堂に会したこのイベントは、交通網が今ほど発達していない時代において、まさに「夢の物産展」だったことが伺えます。

■ 会場構成から見る当時の「川徳」

興味深いのは、川徳百貨店をフルに活用した会場構成です。紙面からは以下の二つの会場が確認できます。

  • 第1会場:川徳別館ホール
    宮城の笹かまぼこ、青森のリンゴ、秋田の漆器など、各県の「美味しいもの」「名品」が即売されました。
  • 第2会場:川徳本館階下
    郷土玩具の展示や観光パノラマ、写真などが並び、文化的な側面から東北を再発見する場となっていました。

別館と本館を使い分ける規模感からも、当時の川徳がいかに大きな存在だったかが分かりますね。

■ 時代を映すトピックス

物産展の記事の傍らには、他にも興味深い見出しが並んでいます。

トピック 内容の要約
馬乳の栄養価 「牛のお乳よりも馬のお乳が良い」という高岩岩田教授の説。
八幡平の積雪 5月でも積雪が「八尺(約2.4m)」もあったという驚きの記録。

昭和11年といえば、2・26事件が起きた激動の年。そんな時代にあっても、人々は百貨店に足を運び、各地の名産品を手に取り、束の間の「旅行気分」を楽しんでいました。一枚の新聞紙面から、当時の人々の息遣いが聞こえてくるようです。

皆様の家にも、古い新聞や写真は眠っていませんか?
それは、街の記憶を解き明かす大切な鍵かもしれません。


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