「暁の超特急」吉岡隆徳が盛岡で講習会

昭和13年8月7日の岩手日報より。

「暁の超特急」として短距離競技でベルリンオリンピックにも出場した吉岡隆徳が8月6日に盛岡に来て、岩手県体育協会主催で盛岡高等女学校を会場に4日間にわたって講習会を行うという。

冒頭、吉岡は「百見は一聞に如かず、私の申し上げること、やることをただ聞いたり見たりして帰られず、直ちに実行に移しましょう。さあ元気で始めましょう」とあいさつを行った。

最初の陸軍制式準備体操に始まり、東京文理大学制式の基礎運動に移り。短距離走法の基礎運動に入った。

開場となった盛岡高等女学校の30名の女子の他、県下の160名の中等学校の陸上競技部員が参加した。

この時、宿泊は岩手公園の下の教育会館であったが、日中戦争による昭和15年の東京オリンピック中止決定に関して、以下のようにコメントしていた。

私は単純なスポーツマンでありますから、選手制度の是非とか体育問題等を云々する知識もありません。
最近は選手制度の排斥やオリンピック返上でアスリートは全く腐っていますが、過去における選手制度の功績を忘れてはいけません。
我が国の体育競技をこの水準まで築き上げたのは全く選手たちのおかげですから、一様にこれを排斥できるものではない。
それと同時に。選手を生み出した一般の人たちの問題はさらにいっそう考えないといけないと思っている。

 

 

 


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