北東北3県を荒らし回る怪盗を逮捕(S14.4.9)

昭和13年8月から昭和14年4月にかけて、岩手県下閉伊郡の川井村(現在の宮古市川井地区)、茂市村(現在の宮古市茂市地区)、田老村(現在の宮古市田老地区)などを中心に、現金や自転車を狙った盗難事件が相次いで発生しました。犯人は夜間に住宅へ侵入し、物品を窃取して山田線や宮古街道を利用して逃走する手口を繰り返していました。

昭和14年4月9日、岩手郡簗川村(現在の盛岡市簗川地区)飛島地区の第二飛鳥トンネル付近で、警察と地元住民の協力により容疑者が逮捕されました。調査により、容疑者は秋田県北秋田郡下川沿村根下戸道下芋堀沢(現在の大館市根下戸地区)の出身で、当時は盛岡市大沢川原小路袋町周辺(現在の盛岡市大沢川原地区)を拠点に活動していた50歳の男性であることが判明しました。また、青森、秋田、岩手の3県で計39件の窃盗事件を行っていたことが明らかになりました。

追跡中には容疑者が警察官や警防団員に重傷を負わせる激しい抵抗も見られましたが、逮捕後の裁判では常習特殊窃盗や殺人未遂などの罪で起訴され、第一審で無期懲役、控訴審では懲役15年の判決が確定しました。

この事件では、負傷しながらも責務を果たした警察官が岩手県で初となる功労記章を授与され、地域住民と警察の連携の成果として記憶されています。


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