岩手でも報じられた片岡仁左衛門一家鏖殺事件(S21.3.18新岩手日報)
1946年3月18日
2026年3月7日
【昭和の衝撃事件】新岩手日報が伝えた「片岡仁左衛門一家殺害事件」
付の紙面より

戦後間もない混乱期、日本中を震撼させた衝撃的なニュースがありました。歌舞伎界の名門、十二代目 片岡仁左衛門とその一家5名が殺害された事件です。
今回、当時の「新岩手日報」の貴重な切り抜きを入手しました。岩手の地でも、この凄惨な事件がいかに大きく報じられていたかを振り返ります。
紙面から読み取る「怨恨の仕業か」
記事の見出しには大きく「怨恨の仕業か」「仁左衛門一家五名が惨殺さる」と躍っています。東京・千駄ヶ谷の自宅で起きたこの悲劇について、当時の緊迫した様子が活字から伝わってきます。
- 犠牲者: 仁左衛門(63歳)をはじめ、夫人、女中、そしてまだ幼い末息子までもが手にかけられるという非道な内容。
- 犯人の動機: 記事中では「食糧問題の不平」や「配給品の分配」を巡るトラブルなど、当時の極端な物不足が生んだ「怨恨」の可能性が示唆されています。
時代背景:餓えと隣り合わせの昭和21年
注目すべきは、事件記事のすぐ下にある「魚類小賣価格」の表です。
ナメタ 15円50銭、メヌケ 23円……
こうした日常生活の数字と、凄惨な殺人事件が同じ紙面に並んでいる点に、戦後直後の異常な社会情勢が象徴されています。生きるための「食」への執着が、尊い命を奪う動機にまで発展してしまった時代の悲劇と言えるでしょう。
まとめ
岩手の地元紙がこれほど詳細に伝えたことは、片岡仁左衛門というスターの存在がいかに大きかったか、そしてこの事件が当時の日本人にとってどれほどショッキングだったかを物語っています。
歴史の断片を伝えるこの古い新聞紙面は、私たちが忘れてはならない「混乱の時代」の記録そのものです。
