平泉の路上強盗殺人(S41.2.1)

昭和41年2月1日未明、岩手県西磐井郡平泉町長島字桜里の県道で、帰宅途中の老人が襲撃され、命を奪われる強盗殺人事件が発生した。被害者は同町長島字山谷に住む66歳の男性で、頭部を激しく殴打され、通りかかったタクシー運転手によって発見された。被害者は病院に搬送されたものの、頭蓋底骨や顎の骨の骨折が原因で午前9時35分に死亡した。

捜査は、現場が北上川沿いの水田地帯であり、人通りや交通量が少ない地域だったことから難航した。当初は交通事故や自己過失の可能性も検討されたが、被害者の傷が石や鈍器によるものと判明し、また所持品が奪われていたことから、他殺の疑いが強まった。

捜査の結果、事件当夜に現場付近を通行していた平泉町長島梅の木のトビ職の21歳男性、同町砂子沢の22歳の農業従事者、そして同町の17歳の電工の少年の3人が容疑者として浮上。事情聴取の結果、17歳の少年が犯行を自供し、残る2人も犯行を認めた。

彼らの供述によれば、1月31日午後11時過ぎ、被害者を背後から襲い、所持していた卵12個、羊羹、週刊誌などが入った配達袋を奪ったうえ、スコップや木材で頭部を数回殴打。さらに集団で暴行を加え、用水路に突き落として逃走したという。奪った配達袋は現場近くの高舘橋から北上川に捨てられていた。

犯行に使用されたスコップや木材は現場付近で発見され、物証や供述が一致したことから、3人は共同正犯として逮捕された。その後、昭和41年11月20日に盛岡地裁一関支部で行われた裁判で、3人に懲役12年の判決が下された。


showa
  • showa

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です