じぇじぇじぇ!久慈でアルハラ報復殺人!?(昭和46年3月31日)
昭和46年3月31日、水曜日の午後。
久慈警察署に中年女性から捜索願が出された。
「旦那が昨日から家に帰ってこない。旦那は52歳で県職員。いつもなら酒を飲んでも10時には帰って来るのに。今朝、職場に電話したら出勤していないという。親戚にも電話したが来ていないという」
その「旦那」は、昨3月30日火曜日、久慈市内で結婚披露宴に出席し、8時ごろには帰ったのだという。
また、目撃談からは長内橋の近くを歩いているのは見た、という。
情報はそれっきりだった。
そもそも、この52歳の県職員、どういう人だったのだろうか?
聞いたところでは「あまり酒癖が良くない」のだという。
そうなると、酔っぱらって誰かと喧嘩したか、車に轢かれたか、それとも川にでも落ちたか・・・
年度が昭和46年に変わり、ゴールデンウイークになってもその県職員は見つからなかった。
いったいどこへ行った?
その県職員が、死体となって見つかったのは、実に5月26日のことであった。
それは、久慈市内の小さな会社の住み込み寮の天井裏であった。
犯人はその寮の住人の20歳の男。
本当は飲み友達だったはずだった。
どういうことかというと、3月30日の晩、20歳の男は銭湯の帰りに、いつも飲んでいる県職員の男とバッタリ出会った。
「今日酔ってどうしたの」
「部下の結婚式あって飲んだんだ」
「うちさ来て飲むべ」
「んだら行ぐべ!」
(※久慈の方言がどうなっているかは不明)
小さな従業員寮の一室にて。
「だいたいにしてなあ、お前の部屋は汚いんだ!」
「まあまあ、タバコでも吸って落ち着いて下さいよ」
「なんだお前、若いくせにタバコ吸うのか!」
もう向こうは出来上がっている。持ち前の酒癖の悪さが出ていた。
「そんな体が大きいのに気が小さくて!怒るんなら怒ってみろwww」
ここで20歳の男の何かが壊れた。
「大体にしてこんなにストーブ焚いて・・・」
ストーブを調節するために後ろを向いた52歳の男の首に、自分のズボンのベルト代わりにしていた麻縄を外して・・・
さっきまで説教上戸だったあの口うるさい県職員の男は、今死体となって自分の前に転がっている。
つまり自分は殺人を犯した。
バレたらもうただではいられない。
死体を片づけよう。
とりあえず服は焼き捨てよう。
翌31日午後、丁度奥さんが久慈警察署に捜索願を出したのと同じころ、服を河原で焼き捨てた。
そして死体をどうしようか。
何かと理由をつけて、店長から車を借りだし、盛岡の四十四田ダムにでも捨てよう。
しかし、近所の人や警察官が入れ代わり立ち代わりやってくる。
これでは死体も運び出せない。
季節は春から初夏になっていく。
死体をそのままにしていれば腐り始める。
案の定、死体は腐臭を発し始めた。
最初のうちはキムコをかけてどうにかなった。
しかしそれも最初のうちだけだった。
女子社員が「なんか更衣室のあたりが臭くない?」という。
店長は20歳の男に「お前は飲んだ瓶なんかもそのままにしてるからじゃないのか?休みの日に一緒に片付けよう」
片付けてもまだ臭い。
なら風通しが悪いのか?
見ると、天井にシミが出ている。
「雨漏りでもするのかな」
「くぁwせdrftgyふじこlp;@:」
「ハァ?」
「ゆ、行方不明でニュースになってる県職員の人です」
「何!?」
結局、20歳の男は殺人・死体遺棄で懲役8年の刑が言い渡された。
計画性がなかったこと、相手の落ち度が認められたことで、殺人にしては比較的軽い刑となったようである。