新県総合発展計画スタート(S62.7.30)

昭和62年7月、岩手県は「新県総合発展計画(新県総)」後期実施計画(63〜65年度)をスタートさせた。高齢化・国際化・先端技術化が進む中での新たな施策展開が課題であり、前期計画終了に合わせて内容を見直し、事業数は当初より50増の272事業となった。新規重点事業は27で、長寿社会対策やバイオテクノロジー推進、県土の均衡ある発展、三陸沿岸マリノゾーン形成など四大プロジェクトを軸に据えている。

主な新規事業には、総合農業研究センター整備、水産試験場移転検討、海洋生物利用技術研究センター(釜石)設置、田瀬ダム周辺のレイクリゾート化、沿岸部への県立短大新設(66年度開校予定)、訪問看護推進、中小企業の異業種連携促進、国際交流村整備などがある。これにより後期計画の事業費は1兆1,806億円へと大幅増となった。

新県総は社会資本整備の遅れ解消に一定の成果を上げ、着手率は90%を超える。しかし「県土の均衡ある発展」を掲げながら、内陸と沿岸、県南と県北の格差はむしろ拡大しており、三陸沿岸市町村の所得は県平均との開きが広がるなど、過密・過疎の差も依然として大きい。三期目の中村県政にとって、新県総の総仕上げとともに地域格差の是正が最重要課題として注目されている。


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