本県の水稲の作況指数は89で「著しい不良」(S57.12.24)
1982年12月24日
2025年11月16日
昭和57年、岩手県の水稲作況指数は89で「著しい不良」となり、55年から続く三年連続の不作は明治以来初めての深刻な事態となった。原因は7月下旬の異常低温による広範囲の障害不稔、8月の高夜温と日照不足、9月の高温と無降水の連続など複合的気象不順で、特に北上川下流の穀倉地帯が大きな打撃を受けた。収量・品質ともに低下し、一等米比率も過去の冷害年を下回り、農家と地域経済に大きな被害(3年間で総被害額1254億円)をもたらした。県と農協は融資や共済金支払いなど各種対策を講じたが、全国的にも作況は悪く米需給は逼迫し、転作目標も見直された。冷害に強い農業への再編が急務とされる一方、高速交通網の整備によって園芸作物の伸長がみられ、地域農業の多角化が課題として浮き彫りになった。