ラジオ番組案内(S25.1.12岩手新報)
1950年1月12日
2026年1月12日
昭和25年1月12日の岩手新報のラヂオ欄には、当時の岩手における唯一の放送局、NHK盛岡放送局(JOQG)が伝えたかった当時の世相が凝縮されています。午前7時15分のルポルタージュ文化財を訪ねてから始まる一日は、午前9時15分のビタミンの取り方や、午後6時30分の発疹チフスの予防といった、戦後の衛生環境や栄養不足に直面していた人々への切実な啓発番組が並んでいます。
午前10時台にはお話と音楽やもちの話といった、日常のささやかな楽しみを提案する番組が続き、午後からはヴァイオリン独奏や月への旅、歌と軽音楽、そして午後2時30分の新内といった、和洋折衷の文化がラジオを通じて家庭に届けられていたことが分かります。また、成人の日を間近に控えたこの時期、午後6時30分には成人の日を迎えてという放送が組まれており、新しい日本を担う若者たちへ向けた熱い期待が込められていました。
紙面左側の翌13日の予定を見ると、午前7時15分から所得税申告に伴う中小企業についてという実務的な解説がJOQGの名とともに掲載されており、地域社会の経済活動を支える役割を担っていたことが鮮明に記録されています。さらにはネズミの贈り物やビタミンの多い料理といった生活に密着した話題も豊富で、厳しい冬を迎えていた岩手の人々にとって、ラジオが情報の生命線であったことを改めて実感させます。
夜の放送にはスポーツミラーやピアノリサイタル、そして午後10時の満談といった娯楽が並び、一日の疲れを癒やすひとときを演出していました。一台のラジオから流れる音に一喜一憂し、明日の献立や健康管理、さらには社会の仕組みを学んでいた昭和25年の冬の情景が、この細かな文字の羅列からありありと伝わってきます。