紫波郡・気仙郡の度量衡取締主任が岩手日報本社見学(S4.9.1岩手日報)

昭和初期のある一日、紫波郡と気仙郡から選抜された度量衡取締主任40名が、盛岡市内にある岩手日報本社を訪問し、施設見学を行った。新聞紙面には、その様子を撮影した写真も掲載されている。

見学の目的は、報道機関の実務や印刷技術、編集体制を知ることにあったと考えられる。写真からは、印刷機が並ぶ工場のような現場に立つ参加者たちの姿が確認できる。奥に並んだ大きな窓から自然光が差し込んでおり、現場は明るく活気にあふれていたようだ。

当時の度量衡取締主任とは、計量器の正確さや商取引における公正性を監督する地方官職であり、科学的・実務的な知識が求められていた。そうした背景から、日常的に「事実を正確に伝える」報道機関のあり方にも関心が持たれたのかもしれない。

新聞社の見学というと、学校の社会科見学のようなイメージが先行しがちだが、こうした官民連携の一端として行われたことを思えば、当時の地域社会の情報共有や技術交流の一幕として非常に興味深い。今となっては貴重な記録である。

 

 

 


showa
  • showa

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です