少年航空兵に県内でも相応な数が応募(昭和5年3月1日)
1930年3月1日
2025年8月1日
この年から、海軍では新たに「少年航空兵」の募集を始めることとなった。
「少年航空兵」とは、年少のうちから選抜・教育され、将来の海軍航空隊員として育成される制度である。身体的・精神的に健全で、かつ将来的に飛行機乗りや航空技術者としての資質を持つ者が対象とされた。
横須賀鎮守府管内での採用枠は40名とごく限られていたが、岩手県内からの志願者はその数を上回る勢いで殺到しており、海軍関係者もその熱意に驚きを隠せないという。とりわけ、盛岡や花巻などからの志願が目立ち、各地で「空に憧れる」少年たちの意欲が高まっていた様子がうかがえる。
記事は、募集の知らせが電話や新聞で伝えられた直後から、次々と志願の申し出があったことを報じている。当時、航空機は最先端の存在であり、その操縦士や整備兵になることは、少年たちにとって夢のような未来だったのだろう。
昭和初期、まだ飛行機が一般的でなかった時代に、空への希望を託した若者たち。その純粋な志願の波は、地方にも確かに広がっていた。